安全針で針刺し事故予防

針
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透析での針刺し事故について

透析業務で注意しなければならない事故の1つに針刺し事故があります。透析業務では、穿刺をする機会が多いためです。

清潔な針で、刺す分には感染症の心配がありません。問題となるのは、患者に刺した針で自己穿刺してしまうことです。

透析時に、そのような危険性があるのは、「透析回路から採血した血液をスピッツに注射器で挿入するとき」と、「透析開始時の穿刺」です。

この2つの場合は、針先に患者の血液が付着しているため、自己抜針すると感染症の危険性があります。透析患者は、肝炎率が高いので注意が必要です。

C型肝炎などに感染すると、完治するのは非常に難しいです。今回は、これらの事故を未然に防ぐ為に、安全な器具、今回は穿刺針に絞って紹介します。

 

安全針の種類

透析針を販売しているメーカーとしては、メディキット、日本コヴィディエン(製品:メディカット)などたくさんありますが、メディキットと日本コヴィディエンが多くのシェアを占めます。

メディキット株式会社

メディキットは針専門の会社です。以下のような安全針が販売されています。

ハッピーキャスC

ハッピーキャスC

(メディキットHPより)

この製品は、サンプルをもらい実際に使用しました。

穿刺して、金属内針を抜くときに、ボタンを押すことで、内針を安全カバーに収納します。操作が増えますが、私自身は問題なく使用できました。

ハッピーキャスC構造

(メディキットHPより)

ただ、穿刺中に誤ってボタンを押して、患者さんにちょこっと針が刺さったときに、ボタンを押してしまい、穿刺を失敗するという事故がありました。これは、針の持つ場所や、手技が原因だと思いますが、とろくさいスタッフでは何かやらかしてしまう心配があります。

ハッピーキャスV添付文章
ハッピーキャスC製品HP

ハッピーキャスNEO

ハッピーキャスネオ

(メディキットHPより)

この製品は、サンプルをもらい実際に使用しました。非常に使いやすいです。

特に余分な操作なく、金属内針を抜くと図のように金属内針の先端がキャップされます。また、金属内針の周囲もビニールのようなもので囲われるため血液の飛散の心配がありません。

針の切れ味も文句ありませんし、非常に使いやすかったです。
ハッピーキャスNEO製品HP

ハッピーキャスV

ハッピーキャスV

(メディキットHPより)

これは、逆止弁付きの安全針です。逆止弁とは、血液の逆流を防ぐという意味です。通常、穿刺して回路と、針の外筒(カテーテル)を接続するときには、血液が漏れないように、指でつまんで、止血しますね。逆止弁があると、抑えなくても血液が漏れないので楽になります。

ただ、逆流させてカテーテルのエアーを抜くという手技により、確実に針が血管に入っているかを、より確かに確認できていたので、それができないのは個人的に不満です。

また、逆止弁がある関係で、血液回路を、カテーテルに接続するときに、わりと力を入れて押し込まないと入らないのが面倒でした。(押し込みが不十分では、脱血不良や静脈圧上昇、血液の漏れなど発生します)

逆止弁付きは、普段は使いずらいですが、災害時などの緊急時には回路を外すだけで、直ぐに離脱できます。災害対策を考えている施設では、よく導入されているそうです。
ハッピーキャスVのHP

ハッピーキャスVの使用経験は、ぐうたら臨床工学技士のしがない日々 (逆止弁付穿刺針)にも使用経験が紹介されていますので参照ください。

クランプキャスAZ

これは、使用した経験がないですが、ハッピーキャスVの逆止弁なしバージョンだと思います。詳しくは、製品HPを参照してください。

日本コヴィディエン

日本コヴィディエンからは、メディカットという商品名で透析用の針が販売されています。メディキットとよく似た名前なので間違いそうですね。

製品についての詳細は、ホームページやカタログに詳しく紹介されていますので、リンクを紹介しますね。

メディカットのHP
メディカットのカタログ

最後に

このように、安全機構付きの穿刺針は、いろんな会社から、いろんな種類が販売されています。日本コヴィディエンもメディキットとほぼ同じような製品が販売されています。

どちらのメーカーを選択するかは、正直どっちでもいいと感じます。信頼できる営業の人から購入すればいいです。

製品については、ぶっちゃけ使ってみないとわからないのでサンプル品をもらって、ベテラン・新人にまんべんなく使ってもらって感想を求めるといいと思います。ただ、安全機構がついた針の中には、金属内針を外筒から抜くときに引っかかるものがあります。

内針を抜くときに外筒に引っかかり、「外筒まで抜けてしまった」という事故は、かなーーり耳にします。よって、サンプル品を試す場合には、まずは、患者さんじゃなくて穿刺練習用の血管で練習してから、患者さんに使ってくださいね。

あと新人さんは、針を変えられると穿刺(成功率)に影響が出ますので注意を!