血液透析での抗凝固剤の投与量のモニタリング検査であるACT、APTTについて説明します

抗凝固剤のモニタリング

透析やCHDFにおけるヘパリン、メシル酸ナファモスタット(フサン)の投与量のモニタリングには、ACT(活性化全血凝固時間),APTT(活性化部分トロンボプラスチンテスト)、KCT(賦活全血凝固時間)、CCT(セライト賦活全血凝固時間)などが使用されます。

今回は、そのなかでも血液透析でも良く使用されるACT(活性化全血凝固時間)とAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)について説明します。

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それでは、早速説明します。

活性化全血凝固時間(ACT:activated clotting time)

基準値

100~130秒

説明

内因系凝固を活性化する物質を血液に入れて活性化しフィブリン形成までに要する時間を測定する方法です。透析におけるヘパリンの至適量のモニタリング検査としても、用いられます。簡便で測定結果がすぐに分かる為、広く普及しています。

血液透析においては、ヘパリンやメシル酸ナファモスタットを用いたACTが150~200秒になるように調整します。

 

APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)

基準値

24~40秒

説明

血漿に内因系凝固を活性化させる物質(エラジン酸または、セライトまたはカオリンとCaイオン、リン脂質)を入れて、凝固する時間を測定する方法です。

ヘパリン投与によりAPTTは延長するので、透析におけるヘパリンやメシル酸ナファモスタット(フサン)などの抗凝固剤の使用量のモニターにも使われます。

抗凝固剤のモニターでは、APTTはヘパリン使用前の、値より、1.5倍~2倍になるように調整します。

 

その他の知識としては

・低分子へパリンの使用では、APTTはほとんど変化しないため、低分子へパリンのモニターには使えません。

・DICでは、APTTは延長する時と延長しない場合があるので、DICの診断には使われません。

・APTTとPT(プロトロンビン時間)を測定することにより、内因系凝固異常か、外因系凝固異常かを判断することができます。

まとめ

透析での抗凝固剤の投与量は、これらの検査および、透析回路の残血量を確認して投与量の調整をします。ヘパリンには抗凝固作用だけでなく、骨脱灰作用や脂質分解作用などの副作用も複数あるので、できるだけ少ない量に調整するのが患者さんにとって望ましいと思います。

<関連書籍>
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