透析中にエアーが患者に入ったらどうなるか!?

透析の事故や、カテーテルの取り扱いのミスによりエアーが血管内に入る事故が報告されています。空気が血管内に入ったらどうなるかわかるでしょうか?今回は、内シャントから空気が入った場合空気がどのように流れ、どのような症状が出るかを説明します。

空気が血管内に入った場合の空気の流れは、患者の姿勢(体位)により異なります。今回は、透析患者の内シャントまたは、末梢静脈にエアーが混入した場合を、体位別に説明します。

<空気誤入>

座位の場合

座位とは、座っている状態です。座位で空気が混入した場合、以下の2通りの空気の流れが予想されます。

①シャント血管⇒鎖骨化静脈⇒内頸静脈⇒脳静脈⇒脳血流障害
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①のパターンは、内シャントである橈側皮静脈から静脈の流れに乗って、鎖骨化静脈にエアーが流れます。

鎖骨化静脈には、途中で、内頸静脈がつながっています。座位だと空気は、軽い為、上に流れる性質があるので、鎖骨化静脈から、内頸静脈に空気が静脈の流れを逆流して流れる可能性があります。内頸静脈は、脳静脈につながっている為、脳の血管に空気が入り血管が詰まって脳梗塞を起こす可能性があります。

②シャント血管⇒鎖骨化静脈⇒上大静脈⇒右心房⇒右心室⇒肺動脈⇒肺空気塞栓症⇒肺動脈⇒左心房⇒左心室⇒大動脈⇒全身

②のパーターンは、運よく空気が内頸静脈に流れずに、心臓にもどった場合です。右心房⇒右心室⇒肺動脈と血液の流れに乗り、肺に空気が流れます。

少量の空気では、肺胞で吸収されます。空気の量が多いと、肺空気塞栓症を起こしたり、肺胞を通過して、肺静脈から、左心房⇒左心室⇒全身とながれて、脳に空気が流れる恐れがあります。

臥位(背・腹臥位)の場合

臥位とは、寝た状態です。
③シャント血管⇒鎖骨化静脈⇒上大静脈⇒右心房⇒右心室⇒右室拍出量低下

臥位の場合は、右心室で空気が溜まり、右心室の心拍出量が低下する恐れがあります。

右側臥位の場合

右側臥位とは、体の右側を床につけて寝た状態です。
④シャント血管⇒鎖骨化静脈⇒上大静脈⇒右心房⇒右心室⇒肺動脈⇒肺空気塞栓(肺高血圧症)⇒肺を通過した場合は、左心室から脳に空気が流れる恐れ在り。

右側臥位では、右心室から肺動脈に空気が流れるというのがポイントです。
右そくが
右側臥位では心臓は上図のような状態です。右心房に入った空気は、右心室に入りますが、空気は軽い為、上に移動します。図の状態で、右心室内の空気が上に移動すると、肺動脈といって、肺につながる血管に空気が送られやすくなるということが分かると思います。

体内に空気が入った場合は、トレンデンブルグ体位(頭を低く左側臥位)にするのが、正しい方法です。左側臥位では、右心房・右心室に空気が溜まり停滞するので、肺空気塞栓症の予防ができます。下の図は左側臥位での心臓の様子です。
左そくが

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