透析のシャントとは②(バスキュラーアクセスの種類)

透析でのシャントの種類

今回は、透析患者さんの命綱であるシャントの種類について説明します。一般的には、シャントと呼ばれますが、学術的にはバスキュラーアクセスと言います。医療従事者の方は、カッコよくバスキュラーアクセスと呼びましょう。

内シャント(AVF)

内シャントとは

内シャントについては、前回説明しているので簡単に説明します。内シャントは、橈骨動脈橈側皮静脈を吻合して、静脈にたくさん血液を流す方法です。

長所・短所

・長所
感染のリスクが少ない
長く使用できる
・短所
心臓の負荷が大きくなる。

人工血管(AVG)

人工血管とは

自己血管での内シャントが作製困難な場合、人工血管が使われます。日本の血液透析患者の7%程度が人工血管を使っています。主に上腕動脈上腕静脈または、尺側皮静脈とを人工血管でつなぎます。人工血管の素材としては、E-PTFE、ポリウレタン、PEPが使用されます。各素材の特徴は、以下の通りです。

E-PTFE・・・術後3週間は穿刺できない、
ポリウレタン・・術後すぐに穿刺可能
PEP・・術後すぐに穿刺可能

長所・短所

・長所
穿刺が容易
十分な血流を確保できる
・短所
内シャントと比較してシャント感染しやすい。
シャント閉塞率が内シャントと比べると高い。
(グラフとの返血側に接続している静脈が狭窄しやすい)

動脈表在化

動脈表在かとは

動脈表在かは、上腕動脈または、大腿動脈を手術により皮膚の表面近くにもってくる方法です。それにより、動脈でも比較的簡単に穿刺をすることができます。脱血側を、表在化した動脈に穿刺して、返血側は表面の静脈に穿刺します。

長所・短所

・長所
心臓に負荷がかからない。
・短所
繰り返し穿刺すると動脈瘤ができやすい。
返血に使う静脈の確保が難しい。
動脈が閉塞した場合、止血に時間がかかる。

カテーテル留置

カテーテル留置とは

内シャントの閉塞や、急性腎不全などの緊急時にダブルルーメンカテーテルを挿入して血液透析を行います。ダブルルーメンカテーテルは、感染のリスクが高い為、一般的に短期間のみ使用されます。

挿入部位は、大腿静脈、内頸静脈が選択される。以前は、鎖骨下静脈を使用していたが、鎖骨化静脈が狭窄した場合、シャント作成時に、静脈高血圧症になる可能性が高い為現在では、使われません。近年では、長期留置カテーテルといって、皮下トンネルを作成し、感染を起こしにくい、長期間使えるカテーテルの方法もあります。

長所・短所

・長所
穿刺しなくてよいので、痛みがない。
内シャントのように心臓に負担がかからない。
・短所
感染症を起こしやすい。(長期留置は感染しにくい)
毎日消毒する必要がある。
水にぬらすことができないので風呂に入りずらい。
静脈から血液を採るため、血流量が多く採れない。

まとめ

バスキュラーアクセス(シャント)の種類は、複数ありますが大半は内シャントで血液透析をしています。最近では、長期透析患者さんが増え、内シャントが潰れて造り直す場所がなくなり、人工血管や、長期留置カテーテルを使用する方の割合が増えているように感じます。

われわれスタッフは、それぞれのバスキュラーアクセスの特徴とリスクを把握してケアしていくことが大切だと思います。

<内シャントの記事は、こちらもどうぞ>
透析の内シャントとは①(内シャントの基礎)
透析の内シャントとは②(バスキュラーアクセスの種類)
透析の内シャントとは③(評価法)
透析の内シャントとは④(シャント作成術)
透析の内シャントとは⑤(合併症)

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