生体電気インピーダンス法(BIA)によるドライウェイト(DW)評価について

ドライウェイトの指標としては、CTR(心胸比)・hANP・PWI(濃縮率)などが利用されています。最近では、体液量の評価に生体電気インピーダンス法(BIA)が用いられるようになり、各学会でその有効性が報告されています。

この方法では、細胞内液・細胞外液それぞれの水分量が測定することが可能であるため、透析中のプラズマリフィリングを継時的に観察することが可能で、透析中の血圧低下の原因を解明するのに役立ちます。

 

生体電気インピーダンス法とは

生体電気インピーダンス法とは、身体に微弱な交流電流を流して、細胞内外液の量を測定する方法です。インピーダンスとは、交流電流に対する抵抗であり、電流の流れにくさのことです。

 

測定原理

電流の特性として、水分を多く含む組織は電流が流れやすく、水分の少ない組織は電流が流れにくいという原理を利用して体の水分量と体脂肪率を求めることができます。

そして、低い周波数の電流は細胞内膜を通過せずに細胞外液を流れ、高い周波数の電流は細胞内液を流れるという特性を利用して、細胞内液と細胞外液それぞれの水分量を求めることができます。

測定方法は、仰臥位にて右手右足に、電極を装着して測定します。測定時間は、約15秒と短時間で実施することが可能です。

 

BIAでのDWの決め方

学会でのBIAに関する発表をみてみると、透析中に血圧が著しく低下する患者は、透析中に細胞内液が上昇して、細胞外液が著しく減少しているそうです。通常は、透析中は、細胞内液から細胞外液に水分が移動するから、細胞内液の上昇はないはずですが、血圧が下がる患者は、細胞外液から細胞内液に水分が移動している(逆の移動)が起こっていることが発見されたそうです。

そして、内液/外液=2.0以上で血圧が低下するとの報告があります。このように、透析中の細胞内での水分移動を継時的に測定することにより、DWを決める要因として使用することができます。

 

BIA測定装置

BIAを測定する装置は以下の装置が販売されています。

MLT-55ON

mlt55on
(JMSのHPより)

SKメディカル電子株式会社が製造して、東レ・メディカル株式会社が販売しています。バッテリ駆動で重量310gと軽量で、携帯性に優れてます。測定項目は、『体水分量・ 細胞外液量・細胞内液量・体脂肪率』等が測定可能です。

 

まとめ

BIAは、非侵襲・低コスト・短時間で測定が可能なことから、従来の方法と比較して手軽にDWの適正値をもとめることに有効です。透析中にも定期的に測定することで、透析中の血圧低下によるショックを事前に対応することが可能となります。