血液透析では、なぜ抗凝固剤が必要?血液凝固の機序とは!?

今回は、なぜ血液凝固がおこるかを内因系凝固と外因系凝固に分けて説明します。ちょっと難しいですがこれをざっと、理解しておくとヘパリンなどの抗凝固剤の仕組みが良く分かります。

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血液凝固とは

血液凝固には、内因系凝固外因系凝固があります。

内因系凝固とは、内因系血液凝固は、血管内皮細胞が破壊されることで始まる凝固で血液透析などでは、血液が透析回路やダイアライザに接触することにより開始されます。

外因系凝固は、外傷などの際に、損傷組織から、組織因子が放出されることで始まる凝固です。血液透析の場合は、ダイアライザと血液が接触することにより、補体・単球が活性化することにより開始されます。

よって、血液透析の場合は、血液と透析回路・ダイアライザ―が接触することにより、内因系血液凝固と外因系血液凝固が同時に起こります。

血液凝固カスケード

凝固
<血液浄化療法ハンドブック[改定第6版]P130より引用>

上の図は、血液凝固のカスケードです。図をクリックすると大きくなります。

なんかアラビア数字がたくさん出てきて、ページを閉じたくなりますね。でも、ちょっと待ってください!分かるように説明するのでページを閉じないでください。意外と簡単なんです。

ファイナルファンタジーやドラクエをしていた人ならアラビア数字は分かると思いますが、そうでない人のためにアラビア数字の復習をします。アラビア数字とローマ数字を並べて書きました。

Ⅰ(1)、Ⅱ(2)、Ⅲ(3)、Ⅳ(4)、Ⅴ(5)、Ⅵ(6)、Ⅶ(7)、Ⅷ(8)、Ⅸ(9)、Ⅹ(10)、ⅩⅠ(11)、ⅩⅡ(12)、ⅩⅢ(13)

このように、血液凝固のカスケードでは、血液の凝固因子はⅠ(1)~ⅩⅢ(13)因子まであります。アラビア数字の右側に『a』が付いているのは、『活性化されている』という意味です。ちなみにⅠ因子はフィブリノゲン、Ⅱ因子はトロンビンとも呼びます。

内因系凝固

内因凝固は、ⅩⅡ因子が刺激されて、ⅩⅡa因子になり、ⅩⅡa因子がⅩⅠ因子を刺激して、ⅩⅠ因子が、ⅩⅠa因子となり・・・と、どんどんすすめられて、最終的には、Ⅱa因子がⅠ因子(フィブリノゲン)に作用して、フィブリノゲンがフィブリンとなり凝固します。このような、ドミノ倒しのような反応が連続で起こって血液が凝固しています。

外因系凝固

外因系凝固は、補体・単球の刺激によりTF(組織因子)がⅩⅡ因子を刺激するところから開始されます。そして、最終的には、内因系凝固と同様に、Ⅱa因子がⅠ因子(フィブリノゲン)に作用して、フィブリノゲンがフィブリンとなり凝固します。

ヘパリンの作用は

カスケード反応の図には、ヘパリンも書かれているのでついでにヘパリンの働きも説明します。

ヘパリンは、図のようにATⅢ(アンチトロンビンⅢ)と結合して、Ⅱa因子(トロンビン)とⅩa因子の働きを妨害します。

凝固のまとめ

このように、血液凝固は、内因系と外因系の要因によりフィブリノゲンがフィブリンになり固まります。さらに、透析液に含まれるカルシウムは、内因系凝固や外因系凝固を助ける働きがあり、血液透析中の回路内はとても固まりやすいというわけです。

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