透析患者の高血圧の原因とその対処

はじめに

透析患者は、脳出血や脳梗塞、動脈硬化などの頻度が非透析患者と比較して数倍以上高いことが統計で証明されています。これらの疾患のリスクを減らすには、血圧管理が重要です。

高血圧の原因をしっかり把握して、適正な血圧を維持できるように治療することが大切です。今回は、『透析患者の高血圧の原因高血圧の対処方法』について紹介します。

高血圧の原因

透析患者の高血圧の原因は体液量依存性高血圧と体液量に依存しない体液量非依存性高血圧に分けられます。
体液量依存性高血圧とは、体内の水分量が過剰になり血管内の水分が過剰となり高血圧になる状態です。

基本的に血圧は、以下の式で決定されます。

血圧=心拍出量×末梢動脈血管抵抗

したがって、体液量過剰になると心拍出量が多くなる為に高血圧となります。

透析患者の血圧が高い場合は、まず初めに水分が過剰になっていないか、心胸比の確認や、下肢や顔にむくみがないかなど確認して、ドライウェイトが適切であるかを調べる必要があります。

水分過剰による高血圧であれば、ドライウェイトを適切に下げて除水することにより血圧は下がります。

一方、透析で水分を除水しても高血圧が改善しないまたは、透析の後半になるとますます血圧が上昇してくる場合があります。このような、高血圧はホルモンや自律神経の異常が原因であると考えられています。

このような高血圧を体液非依存性高血圧といい、レニン依存性高血圧などがその代表です。レニンとは腎臓から分泌される酵素で、腎臓の血流が低下すると分泌が促進されます。レニンは、血管を収縮させ血圧を上げるアンジオテンシンⅡの血中濃度を増加させる働きがあります。

透析患者の高血圧の対処

体液量依存性高血圧の対処

体液量依存性の場合は、以下の方法で簡単に改善します。
・透析間の体重増加を少なくする。
・水分と塩分の制限を適切に行う(参照:透析患者の塩分と水分管理方法
・適切なドライウェイトに設定する。(参照:透析患者のドライウェイトの設定方法

体液量非依存性高血圧の対処

体液量非依存性の場合は、血圧を下げる為に降圧薬の投与が必要です。降圧薬はいろいろな種類のものがあります。

降圧剤の第一選択は、アンジオテンシンⅡによる血圧上昇を防ぐために、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を使用します。

ARBとしては、ニューロタン、ブロプレス、ディオバン、ミカルディスなどが有名です。
ACE阻害薬は、カプトリル、レにベース、アデカット、ロンゲス、エースコールなどがあります。

上記の降圧薬で効果が出ない場合は、カルシウム拮抗薬や血管拡張薬、など他の作用の降圧薬を追加で使用します。

まとめ

・透析患者の高血圧の原因は、体液依存性と体液非依存性の2つに分けられる。
・体液依存性の場合は、除水や水分制限により体液を正常にする。
・体液非依存性の場合は、降圧薬(ACE阻害薬、ARB)を使用する。

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