CHDFの条件設定方法(血液・透析液・補液流量の設定)

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CHDFの条件設定方法を紹介

CHDFでは、血液流量(QB)、透析液流量(QD)、補液流量(QP)、濾液流量(QF)と複数の条件を設定する必要があります。これらの条件により、除去できる物質の種類や透析量が大きく変わり、患者さんが重症であればある程、これらのCHDFの設定条件の違いで生死が別れる可能性もあります。

今回は、CHDFの条件で、『血液流量、透析液流量、補液流量、濾液流量』の設定方法について簡単に説明します。条件設定時に参考にしてください。

クリアランスとは

クリアランス

今回の、説明をする前には、クリアランスという言葉を知っておく必要があります。クリアランスは、ダイアライザの性能指標を表す言葉で、『ダイアライザに流れた血液のうち何mlが奇麗になったかを表します。

クリアランスは、一般的に次の式で表されます。
[(フィルタ入口濃度-フィルタ出口濃度)/フィルタ入口濃度]×血流(ml/分)

簡単に言えば『ダイアライザに通った血液のうち、毒素が除去された血液の量は何mlかということです

例えば、血流を200mlで透析を行っていて、ダイアライザ―の入り口のBUNの濃度が10mg/dl、ダイアライザの出口のBUN濃度が2mg/dl、だったとします。

その場合のクリアランスは、[(8-2)/8]×200=150mlとなります。すなわち、ダイアライザに流れた200mlのうち150mlの血液はBUNが全て除去されて、残りの50mlの血液はBUNが除去されていないことを表します。

ダイアライザ―のクリアランスは?

一般的によくつかわれるA社のⅣ型の膜面積1.1㎡のダイアライザの添付文章を見てみると以下のようになっています。

ダイアライザのクリアランス
物質 尿素 クレアチニン リン酸 ビタミンb12
クリアランス(ml) 190 184 173 123

条件は、QB200ml/min、QD500ml/min、

上記のように、小分子の物質のクリアランスは、血流量とほぼ同様になります。

透析におけるクリアランスは以下の関係があります。とても大切ですので絶対覚えてください。
『血液透析でのクリアランスは、血液流量(QB)、透析液流量(QD)、総括物質移動面積係数(KoA)の3つのうち、もっとも小さな値を超えない』ということです。

これは、以下のクリアランスを求める計算式を見るとわかると思います。

上の式が血液流量を中心とした式、下の式が透析液流量を含めたクリアランスを求める計算式です。それぞれの計算式で、血流もしくは、透析液流量に除去率をかけるため、クリアランスは血流もしくは、透析液流量を超えることはありません。

クリアランスの計算式

CBI:血液入口側溶質濃度[mg/dl],CBO:血液出口側溶質濃度[mg/dl],CDO:透析液出口側溶質濃度[mg/dl],QBI:血液入口側流量[ml/min],QDO:透析液出口側流量[ml/min]

詳しくは、『血液浄化療法ハンドブック 2014』を参照してください。

総括物質移動面積係数(KoA)とは、総括物質移動係数に膜面積を掛け合わせたものです。総括物質移動係数は、拡散のしやすさを表します。小分子物質の場合のKoAは血流や透析液流量に比べるとかなり大きくなります。よって、小分子物質のクリアランスは、血流量と透析液流量のうち小さい値を超えないと覚えておけばオーケーです。

それでは、問題です!!
血流量200mlで、透析液流量が100mlの場合は、理論上の最高のクリアランスはいくらになるでしょうか?

答えは簡単ですね。クリアランスは、血流量と透析液流量のうち少ない値を超えないので、この場合は、透析液流量のほうが少ないのでこれを超えることはありません。したがってクリアランスは最高でも100ml以下になります。

透析室で行われる維持透析では、QB200ml、QD500m/minといったふうに、血流に対して、透析液流量が非常におおいです。したがってカリウム、BUN、リンなどの小分子物質のクリアラランスは血液流量に依存します。

それに対して、CHDFでは、透析液流量がHDと比べるとかなり少ないです。CHDFでは、QBが80~100ml/min、QDは時間当たり300~600ml/h程度と設定するのが一般的です。このQDを1分当たりになおすと、5~10ml/分であり血流に対して透析液流量が非常に少ないです。

先ほども説明しましたが、血液透析での物質のクリアランスは、血流と透析液流量のうち少ないほうの値を超えません。

したがって、CHDFでの小分子物質の除去量はQDに大きく依存することになります。CHDFでの小分子量物質のクリアランスはQDに比例すると覚えておきましょう。

透析条件の設定による、クリアランスがどうなるかだいたい分かったでしょうか。

CHDFの条件設定

前置きが、かなり長くなりましたがようやく条件の設定について説明します。

血液流量の設定

CHDFでの、血流量は50~100ml程度です。CHDFでは、透析液流量が極端に少ない為、小分子物質のクリアラランスは、透析液流量に依存する為血流は、あまり上げても意味がありません。

ただし、CHDFは後希釈が一般的なので、サイトカイン物質を大量に抜く目的で、補液量を2000ml/hなど高くする場合は、血液が濃縮してしまい回路が固まりやすくなる恐れがあるので、血流量を150ml~200mlに上げる場合があります。

後希釈HDFの場合は、一般的に濾液量は血流量の30%以内に設定しなければなりません。少ない血液から多量に除水すると、溶血や血液濃縮の恐れがあるためです。

透析液流量の設定

CHDFの場合、小分子物質のクリアランスは透析液流量できまります。透析液流量に比例してクリアランスが増加します。
一般的には、CHDFの透析液流量は、300~600ml/h程度とされています。ただ、高カリウム血症で運ばれてきた患者さんなどの治療では、早急なカリウムの除去が必要なので、透析液流量を1000~2000ml/hと上げる場合もあります。

補液流量の設定

補液流量は、限外濾過による中分子物質の除去量に反映します。すなわち、補液流量が多いほど中分子の毒素が除去できるということです。敗血症などの炎症性疾患の場合は、サイトカインを積極的に除去する目的で補液量を多くします。

具体的には、通常のCHDFの補液量は200~300ml/h程度ですが、これを1000~2000ml/hに上げます。また、それに伴い血液の濃縮リスクが高まるので血流もアップさせます。

濾液流量の設定

濾液量は、フィルターから水分を除去して破棄する量です。透析回路内には、透析液ポンプと補液ポンプから液が送られるので、このままでは、患者さんの体重が増えてしまいます。そこで、濾液ポンプから、透析液のポンプ+補液ポンプの補液分を濾液ポンプで除去します。

濾液ポンプ流量=透析液流量+補液流量とします。この設定で、インとアウトが0の為、除水0となります。
除水する場合はさらに
補液ポンプ流量=透析液流量+補液流量+除水速度
と設定します。

長くなりましたが、以上がCHDFの血液ポンプ速度、透析液流量、補液流量、濾液流量の設定方法です。

まとめ

説明が長くなったので要点をまとめます。

<CHDFの設定>
血液流量 80~200(100)ml/min
透析液流量 200~2000(600)ml/h
補液流量 200~2000(200)ml/h
濾液流量 透析液流量+補液流量+除水速度 ml/h

・CHDFの小分子の除去量は、透析液流量に比例する。
・小分子物質を抜きたい場合は、透析液流量を増やす
・サイトカイン除去目的時には、補液流量(限外濾過)を増やす。
・血液濃縮、膜劣化を防ぐため、補液流量は、血流量の30%未満に設定。
・保険請求できるのは、補液は一日15L~20Lまで

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