透析患者の禁忌薬一覧を紹介します!

薬

透析患者の禁忌薬とは

薬は、腎臓から排泄されるもの、肝臓で分解されて排泄されるもの、両方から排泄されるものがあります。

透析患者では、腎機能が働かないので、腎臓からのみ排泄されるような薬剤については、血中濃度が上がりすぎるため、副作用が現れやすくなります。

その為、そのような薬剤は、使用量の減量、あるいは、使用禁忌の場合があり注意が必要です。

今回は、透析患者に使用禁忌な主な薬剤を紹介します。

透析患者に禁忌の主な薬剤は、『フィブラート系薬剤、ビグアナイド剤、リバビリン、アマンタジン、アルミニウム製剤、ビスホスネート、メトトレキセート、コハク酸ジベンゾリン、ジフェニドール』などがあります。

それぞれについて、以下もう少し詳しく説明します。

 

使用禁忌薬一覧

フィブラート系薬剤

フィブラート系薬剤であるベザフィブレートは、高脂血症治療薬として使用されます。この薬を透析患者が使用すると横紋筋融解症が発症しやすいといわれています。

横紋筋融解症とは、骨格筋細胞の融解や壊死により筋肉の細胞が血液中に溶け込んでしまう症状です。それにより、血中の乳酸、尿酸、カリウム、リンなどが上昇します。横紋筋融解症から急性腎不全、DIC、多臓器不全などに移行しやすく重症化すると生命の危険があります。

メトホルミン(ビグアナイド剤)

腎不全患者では、糖代謝異常・経口糖尿病薬の排泄遅延、透析による血糖変動がある為、経口糖尿病薬は慎重投与、あるいは禁忌となっています。特に、メトホルミンは、乳酸アシドーシスの原因となるため使用禁忌となっています。

ちなみにメトホルミンは、肝臓で乳酸を糖に変える働き(糖新生)を抑制して、血糖値の上昇を防ぐ薬です。乳酸は、腎臓より排泄されるので、腎不全の患者では、乳酸が体にたまって、アシドーシス(酸性)に傾いてしまいます。

リバビリン

リバビリンは、C型肝炎に対する抗ウィルス薬です。インターフェロンと併用することによりウイルス除去率を飛躍的上昇するのでたいていセイットで使用されます。ただ、腎不全患者では、血液中濃度が上昇称して重篤な副作用が出るということで、使用禁忌となっています。他、C型肝炎治療薬のプロテアーゼ阻害薬のテラピレビルも禁忌となっています。

アマンタジン

アマンタジンは、パーキンソンやA型インフルエンザなどの治療薬です。腎不全患者では、血中濃度上昇による虫垂神経副作用が出現されるため使用禁忌です。また、アマンタジンは透析でも除去されません。

アルミニウム製剤

アルミニウムゲルは、リン吸着薬として以前は透析患者に使用されていました。しかし、アルミ蓄積されることによりアルミニウム脳症といった痴呆症を誘発するため現在では使用されなくなりました。

他、胃粘膜保護剤スクラルファート(アルサルミン)もアルミニウムが含まれるので使用できません。

ビスホスホネート製剤(リセドロン酸、エチドロン酸)

ビスホスホネート製剤とは、骨を壊すのを抑えて、骨の吸収を防ぐ薬です。骨粗鬆症の予防などに使われます。腎不全では、排泄低下により蓄積するため使用禁忌です。

メトトレキセート

メトトレキセートは、抗がん剤として利用されていましたが、リウマチに効果があるということが発見され、現在では主にリウマチ治療に使用されています。腎不全では、排泄されにくく、血中濃度が上がる為、使用禁忌です。

コハク酸ジベンゾリン

コハク酸ジベンゾリンは、抗不整脈の治療薬です。インスリンの分泌を促進する効果もあり、透析患者では、血中濃度が上昇して低血糖発作を起こすことがあります。

ジフェニドール

ジフェニドールは、嘔吐中枢にはたらいて、吐気・嘔吐を防ぐ薬です。めまいを抑制する効果もあります。腎不全患者では、排泄低下により蓄積する恐れがあるため使用禁忌です。

ACE阻害薬

陰性電荷を有する膜で血液浄化中に使用するのは禁忌とされています。透析中には、血液が透析膜と接触することにより、ブラジキニンという血圧を下げる作用のある生理活性物質が分泌されます。

ACE阻害薬は、ブラジキニンを分解する酵素を阻害するため、併用するとブラジキニン濃度が上昇して、ショックに陥る場合があります。

陰正電荷を有する膜としては、透析膜としては、AN69膜、決勝吸着膜のイムソーバ、LDL吸着に使用するリボソーバ、白血球除去療法に使われるLCAPなどがあります。

血液浄化の専門家である臨床工学技士は特に注意する必要があります。知らずに使おうとするDrをたまに見かけます。

 

(参考文献)
専門臨床工学技士テキスト 血液浄化編116-117

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