腹膜透析(CAPD)の長所・短所は!?基礎知識を説明します

CAPD(腹膜透析)

CAPDは、体内の腹膜を透析膜に使用する透析療法です。透析液を手動で交換する標準的な方法の他にも、機械により自動で透析液を交換するAPD(automated peritoneal dialysis)など様々な方法があります。今回は、標準的なCAPDについて紹介します。

CAPDとは

CAPDとは、continuous ambulatory peritoneal dialysis(連続携帯式腹膜透析)の略語で、1978年頃から開始されました。

CAPDは、腎代替療法の1つで末期腎不全患者の3~4%が施行しています。具体的な方法は、腹腔内に透析液を注入して、透析液と腹膜の毛細血管を流れる血液の間で溶質が濃度勾配によって、水が透析液のブドウ糖による浸透圧勾配によって移動することにより体液を浄化する方法で、腹膜を透析膜として用います。

CAPDでは、老廃物の除去が時間とともに低下するので、6~8時間毎に腹腔内の透析液を交換する必要があります。

CAPDの実際

腹膜透析を施行するには、腹膜に透析液を入れる為に腹膜カテーテルを挿入する必要があります。カテーテルの挿入方法は、挿入してそのまま使用する標準法と、カテーテルを腹腔内に植え込み、4週間以上たってカテーテルを取り出すSMAP法があります。

CAPD
<Baxter HPより引用>

そして、挿入したカテーテルから透析液の入ったバッグを使用して、腹腔内に貯留した透析液を排液して、新しい透析液を注入します。これを1日に3~4回繰り返します。透析液の入れ替えは、20~30分でできます。交換後は、カテーテルにキャップをして、自由に行動することができるのがCAPDの最大の長所です。

CAPD長所・短所

【長所】
・24時間かけて行うので、心臓への負担が少ない。血圧低下などを起こさない。
・HDと比較して残腎機能の低下が少ない。HDを導入すると一気に残った腎臓の機能が低下するが、CAPDではその低下が緩やかです。
・β2MGなど中分子の毒素の除去ができる。
・リンやカリウムなどの食事制限が少ない。
・時間的な拘束が少ないので社会復帰しやすい。

【短所】
・長期間CAPDをしていると、腹膜の機能低下する。よって、5~10年ほどしかできない。
・HDと比較すると、小分子物質の除去効率が悪い。
・カテーテル感染のリスクがある。
・腹膜炎を起こするリスクがある。
・長期間CAPDを継続すると、被嚢性腹膜硬化症(ESA)を発症する恐れがある。

感想

一般的に腹膜透析の治療は、外来で行われる為、透析室のスタッフがかかわる機会は少ないです。ただ、近年ではCAPDとHDを同時に行うハイブリット療法が保険で認められました。これは、CAPDを行っている患者が、週に1回程度HDを行う治療です。

CAPDを継続的に行っていると、腹膜の機能低下により、除水量が下がったり、透析効率が低下してきます。従来でしたら、直ぐにHDに移行していましたが、併用することにより、HDの回数を減らすことが可能となりました。

HDと比較するとCAPDのほうが、食事制限や、拘束時間などは明らかに優れています。患者のQOLを上昇させるために、治療の選択肢が増えることは非常に喜ばしいことだと思います。

参考文献
血液浄化療法ハンドブック(150-168)
透析患者の生活指導ガイド(8-9)