輸液セットに使われるPVC(ポリ塩化ビニル)から溶出するDEHPの有害性について[点滴時に注意]

PVCフリーとは

PVCとは、日本語でポリ塩化ビニルのことです。PVCは、医療の現場では、点滴用の輸液セットや血液透析用の回路などさまざまな材料に使用されています。PVC自体は、特に有害性はないのですが、PVCという材料は、とても硬く、曲げにくいため、DEHPを添加して柔らかくしています。

DEHPとは、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルという有機化合物です。このDEHPは、プラスチックを柔らかくする可塑剤として、さまざまな製品に使用されています。

ただ、このDEHPは有毒性があるといわれています。一時期この問題が大きく取り上げられて、学校給食の食器がプラスチック製からステンレス製に変更されたのを私も覚えています。

DEHPは、ぞくにいう環境ホルモンと呼ばれるものです。

大量に摂取すると、肝臓や生殖器、染色体に悪い影響があるといわれています。

精巣毒性を有する一般毒性物質として、耐容一日摂取量(食品等から毎日接種し続けても影響がでないであろうという推測値:TDI)が40~140μg/kg/day と設定されています。
くすりばこより)

経済産業省からも、DEHPの有害性を調べた資料があります。(詳細

近年、輸液セットには「PVCフリー」や「DEHP」フリーと記載されている製品が増えてきました。施設によっては、取り扱いのミスを防ぐために、全ての製品をPVCフリーまたは、DEHPフリーの輸液セットを使用しています。

 

点滴用輸液セットでのPVCの注意

点滴にて、薬剤を投与する場合DEHPに吸着されたり、溶出させてしまったりする薬剤があるので注意が必要です。

DEHPに吸着

吸着とは、引っ付くことです。輸液セットに、薬剤が引っ付いて、投与する薬剤の濃度が低下してしまいます。

ニトログリセリン、インスリンなどは、DEHPに吸着されるといわれています。他にも、吸着される薬剤はたくさんあります。これらの注意は、薬剤の添付文章に記載されているためしっかり確認しておく必要があります。

DEHPが溶出

溶出とは、溶け出してしまうという意味です。薬剤によっては、PVCに含まれるDEHPを溶かしてしまうものがあります。そうなると、輸液している薬剤と一緒に、DEHPが患者に投与されてしまいます。

 

 PVCフリーとDEHPフリーの違い

PVCフリーとは、素材にPVCが使用されていないということです。PVCが使用されていないということは、もちろんDEHPも使用されていません。

それに対して、DEHPフリーというのはPVCは使用しているが可塑剤にDEHPを使用しておらず、DEHP以外の可塑剤を使用しているということになります。

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まとめ

最近での医療現場では、多くの輸液セットや輸液チューブがPVCフリーやDEHPとなっています。ただ、DEHPを使用している製品も中にはあります。

取り扱いを誤らない為にも、普段使用している輸液セットの材料の特徴や薬剤の注意事項について日ごろから確認しておくことが大切です。

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