臨床工学技士でも知っておいてほしい1型糖尿病と2型糖尿病の違い

医師説明

糖尿病とは、インスリンの分泌が少なくなったり、インスリンに体が反応しなくなることにより、血糖が上昇する状態を言います。糖尿病の種類は、1型糖尿病と2型糖尿病があります。

透析患者でも、慢性腎不全の原疾患が1型糖尿病の場合と2型糖尿病の場合があります。今回は、1型糖尿病と2型糖尿病の基本的な違いについて紹介します。それではさっそく紹介します。

インスリンとは

1型糖尿病と2型糖尿病の違いを説明する前に、インスリンの働きについて確認しておきます。

インスリンとは、膵臓のβ細胞から分泌されるホルモンで、体内で血糖を下げる唯一のホルモンです。インスリンは以下の作用により、血糖を下げます。

・肝臓でグリコーゲンから糖を作るのを抑える。
・骨格筋でのブドウ糖の取り込みを促進する。
・脂肪細胞での脂肪分解を抑える。

ちなみに、血糖値の正常値は
空腹時血糖値100mg/dl未満
食後の血糖値140mg/dl未満
ヘモグロビンA1C6.2%未満(NGSP値)
<日本糖尿病学会より参照>
このくらいは、覚えておきましょう。

1型糖尿病とは

1型糖尿病はインスリン合成・分泌をする『膵β細胞の破壊・消失により、インスリン分泌量が減少したり、インスリン作用不足』になり血糖が上昇する病態です。

膵β細胞の破壊・消失が起こる原因は、遺伝による自己免疫の異常または、原因不明の突発性(劇症1型糖尿病)があります。

ただし、遺伝因子があるからと言ってかならず1型糖尿病が発症するわけではありません。発症には複数の遺伝子が関与します。遺伝因子に加えて、ウイルス感染や栄養などの環境因が影響して免疫機能の異常が引き起こされ、1型糖尿病が発症します。

ウイルス感染については、風疹ウイルスやエンテロウイルスが関与する可能性があると言われているが確定はされていません。

2型糖尿病とは

2型糖尿病とは、『インスリン分泌低下・インスリン抵抗性を生じる素因を含む複数の遺伝因子』に、『環境因子(過食、運動不足、肥満、ストレス)、加齢』が加わり、相対的なインスリン分泌不全の状態となり、高血糖になる病態です。

インスリン抵抗性とは、インスリン作用の効率が悪化すること。インスリン抵抗性は、肥満により増加します。2型糖尿病の初期は、インスリン抵抗性が存在し、それに対する代償としてインスリンの過剰分泌がみられます。しかし、ある程度まで血糖が上昇すると膵β細胞の機能が低下し、インスリン分泌が低下し高血糖が進行します。

膵β細胞の機能低下とは、個々のβ細胞が分泌できるインスリンの量の低下、膵β細胞の減少などのことです。また、高血糖自体もインスリン分泌量低下や、インスリン抵抗性の増大を引き起こす原因となります。(糖毒性

まとめ

1型糖尿病と2型糖尿病の発症原因が分かったでしょうか?1型糖尿病と2型糖尿病では、運動療法、食事療法も全く異なります。臨床工学技士の場合、糖尿病については学校ではほとんど勉強しませんが、透析患者には糖尿病の方が多くいます。

糖尿病についてもしっかり勉強することにより、糖尿病患者の相談や糖尿病患者に合った透析を行えると思います。

 

参考文献:糖尿病ケア2013,Vol10,No2

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