透析のダイアライザの種類を紹介します。

透析のダイアライザーの種類

初めに

血液透析に使用される人工腎臓(ダイアライザー)はたくさんの種類があります。看護師さんなどから見ればどれも同じに見えるなどと言われることがあります。

今回は、ダイアライザーにはどのような種類があるか?どのような分類があるか紹介します。

ダイアライザの種類

膜面積

まずぱっと見て誰にでもわかるのが、患者さんごとにダイアライザーの大きさが違うということです。膜が大きいと、β2ミクログロブリンなど中分子領域の物質の除去量が増えます。膜の面積が増える分、膜の穴が増えるためだと思います。

ちなみに膜の大きさを大きくするとBUN,K,Pなど分子量の小さな毒素の除去量もわずかに増えますがそれほど変化はありません。(ワンサイズアップしても1%か2%くらいしかクリアランスは増えません。添付文章に記載されています。)

けっこう勘違いしているDrも多いですが、小分子の除去量を増やすには、血流を上げるもしくは透析時間を延ばすのが正しい方法です。

膜の素材

膜の素材は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系の合成高分子膜を使用しているダイアライザーが多いと思います。透水性がよく、生体適合性もまあまあで、血液が固まりにくい特徴があります。

ただ、ポリスルホン系の膜は親水化剤(水と馴染みやすくする薬剤)としてPVP(ポリビニルピロリドン)という物質が配合されています。PVPによる影響によりたまに、血圧低下・血小板減少・嘔吐などの症状を訴え透析が困難になる患者さんを見かけることがあります。30人に1人くらいかな?

そのような患者さんの場合は、PVPが含まれていない膜のダイアライザーを使用してみると症状が改善することがあります。ニプロのFA-ecoシリーズ(CTA膜)、ファインフラックス(セルローストリアセテート膜[CTA膜])、日機装のPEPA膜(ポリエステル系ポリマーアロイ)の膜など、PVPフリーの膜はいろいろあります。

HD用とHDF用の膜

HD(血液透析)とHDF(血液透析ろ過)の膜でもそれぞれ特徴が異なります。また、HDFを施行する場合は専用の膜を使用しないとHDFの診療報酬を得ることができません。

HDF用の膜では、HDと比較してたくさんの限外濾過(除水)が行われるため透水性の良い(水が通りやすい)膜構造をしています。透水性が悪いと膜が詰まってTMPが上昇してしまうからです。

中分子タンパク除去率の違い

これも透析の膜を選ぶ上でとても大切な特徴です。中空糸膜には、ストロー状の膜の側面にも小さな穴がたくさん開いています。この穴の大きさが、膜の種類により異なります。この穴が大きいと、β2‐ミクログロブリンやα1‐ミクログロブリンなどの中分子量タンパクの除去がたくさんできます。

ダイアライザ側穴

逆に、この穴が小さいとそれらの除去量が少なくなってしまいます。できれば、中分子量の毒素もたくさん除去したほうが生命予後が良かったり、痒み・イライラなど不定愁訴の改善に寄与するといわれています。ただ、大きい毒素を抜くと、アルブミンなどの栄養素の除去も増えてくるので患者さんの栄養状態を観察しながら調整する必要があります。

ダイアライザの形状の違い

一般的に透析室でよく目にするのは、中空糸型ダイアライザです。この形状以外にも、バクスター社の積層型の膜も診療報酬で認められています。

h12(http://www.baxter.co.jp/images/medical/products/hd/h12.jpgより)

この膜は、AN69という膜素材を使用していて、炎症物質などの吸着効果があるといわれています。

プライミング方法が特殊で、ちょっと手間がかかりますがこっちを使ったほうが収益も大きいんですよね。
ぐうたら臨床工学技士のしがない日々でも紹介されていました。

まとめ

各社から沢山のダイアライザーが開発されています。発売後は、透析関連の学会で臨床での性能評価や使用報告などたくさん出されています。

よさそうだと思ったものが見つかりましたら、メーカーからサンプルなどをいただいて性能評価してどんどん取り入れてみてはどうでしょうか



3 件のコメント

  • 初めまして。yoshua (ヨシュア)と申します。ダイアライザーの膜面積はどのように決めるのでしょうか?私は体重62.7kgで1.8㎡の膜を使っています。2.1を使いたいのですが、医者に拒否され
    ました。β2mgの透析前の値は26です。5時間QB230です。宜しくお願いします。

    • 初めまして。

      β2ミクログロブリンの透析前基準値は、25~30mg/Lですので、基準値以内に収まっていますね。1.8㎡と2.1の膜サイズの違いでは、それほど性能差がないのでどっちでも良いというのが個人的意見です。医師が拒否した理由はよくわかりませんが、膜が大きいと血液の充填量が少し増えるの血圧が下がると考える医師もいますねー。それほど影響ないと思いますが。

      今の検査データで十分なので変更する必要がないと判断したのでしょうかね。

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