透析配管の消毒洗浄方法について

透析装置及び、透析液が供給される配管の洗浄等の管理は、臨床工学技士が管理しています。配管の洗浄方法については、いろいろな方法があり、手間やコスト、透析液の清浄度の目標値により、どのように消毒するかを決めます。

日臨工の透析液清浄化ガイドラインでは、透析配管の消毒方法は以下のように定められています。

『透析装置の洗浄消毒剤は原則としてメーカの推奨品(一般的には次亜塩素酸酢酸)を使用する。配管内にバイオフィルムの形成が疑われる場合はメーカと協議し、有効性の高い洗浄消毒剤の使用を推奨する。透析配管用の洗浄消毒剤の機能には、殺菌、炭酸塩除去、有機物除去に加え残留性、廃棄の問題、安全性およびコスト等、多くの検討すべき問題がある。』
<透析液清浄化ガイドラインより引用>

次亜塩素酸の消毒と酢酸の洗浄について

次亜塩素酸洗浄

次亜塩素酸系の洗浄剤での消毒は、配管内の蛋白質・脂肪・細菌などの有機物の除去及び消毒を目的に行ないます。

酢酸洗浄

酢酸系の洗浄剤での消毒は、配管内の炭酸カルシウムを溶解させることを目的に行ないます。

過酢酸

過酢酸系の洗浄剤は、バイオフィルムの除去に効果が高いものが発売されています。バイオフィルムとは、透析液清浄化ガイドラインに以下のように記されています。

バイオフィルムとは、細菌が産生する細胞外多糖質、ET、有機物汚染、無機物汚染が混然一体となった汚染巣で細菌が生育するのに適した環境となっている。表面はベタベタしており、さらに汚染物や細菌が付着しやすい。配管内面の流れがよどんだ部分に形成されやすい。バイオフィルム内は消毒液や抗生剤の作用をほとんど受けることなく、細菌は緩慢に増殖する。

このようにバイオフィルムは一度作成されるとなかなか除去することができないので厄介です。

熱水クエン酸消毒

熱水消毒は、クエン酸を添加した水を85度程度まで加温して循環させることにより配管を消毒する方法です。従来の、次亜塩素酸や過酢酸ではどうしても消毒液を流せないデットスペースが存在していて、そこが汚染されやすい状況にありました。

熱水消毒では、水が流れるラインすべてを消毒することができるため、配管全体を消毒することができ、蛋白質及び、炭酸カルシウムの除去にも優れています。ただし、熱水消毒は、いろいろな問題も報告されています。
熱水消毒は以下の問題があります。

・熱による金属の膨張や縮小の繰り返しにより、透析装置内のネジが緩む。
・熱水消毒によりETカットフィルタの寿命が短縮するため、熱水消毒専用のETカットフィルタを使用する必要がある。
・熱水により、装置内のゴムなどのパッキンの寿命が短縮する。
・配管の末端に行くにつれて、熱水の温度が下がり、消毒効果が低下する恐れがある。理想の温度を保てないことがある。

消毒と酸洗浄の商品

ECO-200

アムテック株式会社の塩素系の配管消毒剤です。次亜塩素酸ナトリウムにカルボン酸系金属キレート剤、珪酸塩化合物、苛性アルカリなどの添加物が加えられています。以下のような特徴があります。

1.強力な洗浄力で蛋白質、脂肪分解し除菌する
2.高い浸透力により、細菌の温床となるバイオフィルムを剥離・分解する
3.金属キレート剤により炭酸カルシウムの生成を抑制する。
4.珪酸塩化合物により、金属の錆びや腐食が抑えられる
5.界面活性剤を使わないことで、配管内に残留しにくい。

サンフリー

これも、アムテック株式会社の配管消毒剤です。こちらは、酢酸の代わりに用いられる薬剤で、炭酸カルシウムの溶解を目的とした洗浄剤です。
酢酸と比較して、不快臭(刺激臭)がしない、Oリングや金属など装置部材や配管へのダメージが少ない、添加物は全て食品添加物が使用されており環境にやさしいという特徴があります。

その他の薬剤

塩素系、酢酸系の薬剤以外にも、サナサイドなどの過酢酸系除菌剤や熱水クエン酸消毒剤、カプラの洗浄を専用としたカプラケアなど、複数の洗浄剤が発売されて、有効性が各学会で有効性について発表されています。学会や研究会での洗浄剤の発表はアムテック株式会社のHPで確認できるので是非確認してください。

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