葉酸は心血管合併症の予防効果があるのか!?

ほうれん草
ほうれん草

葉酸とは

葉酸とは、ビタミンB群の一種で、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガスなどの野菜に多く含まれています。妊婦において葉酸が不足すると胎児の神経の発達に障害を起こす可能性が上昇することから、妊婦さんに必須の栄養素であり、厚生労働省からも妊婦に対して摂取するように推奨されています。

ただ、葉酸は水溶性であり、食物を加熱したりなどの調理を加えると大幅に失われてしまいます。そのため、葉酸を摂取するにはサプリメントなどを服用することが推奨されています。

 

葉酸が不足すると

医療系の学校では、「葉酸が不足すると貧血になる」と学んだことがあると思います。確かにその通りで、葉酸が不足すると、大球性貧血になります。

大球性貧血とは、赤血球が通常より大きくなるが、赤血球自体の数が減少してしまうため起こる貧血です。大球性貧血についての詳細は、「MCVによる小球性貧血、大球性貧血の説明」を参照ください。

透析患者においても、葉酸が不足すると、大球性貧血になります。

エリスロポエチンを投与しても貧血が改善しないようなエリスロポエチン抵抗性貧血の場合は、鉄の不足以外にも、MCVなどの値を確認して、大球性貧血になっていないことを確認する必要があります。

ちなみに、ヘモグロビンが低下してかつ、MCVが100以上になった場合を大球性貧血といいます。

 

葉酸は脳卒中予防効果があるのか?

葉酸は、上記のように不足すると胎児の発育に悪影響を及ぼしたり、大球性貧血を引き起こしたりなどの悪影響があります。しかし、葉酸の作用は、これだけではありません。

葉酸は脳卒中の原因となる、ホモシステインを低下させる働きがあると報告されています。

その作用としては、私たちが、蛋白質を代謝する過程にホモシステインという副産物が作られます。ホモシステインは、過剰なLDLと結合して、活性酸素を生成することにより、動脈硬化を促進します。動脈硬化になると心筋梗塞や脳血管障害のリスクが増大します。

特に、透析患者は、K制限により野菜の摂取量が不足する為、葉酸が不足しやすく、血中ホモシステインの値が上昇しています。

 

ということで、「透析患者に葉酸のサプリメントを飲ませることにより、心血管合併症が減らせる!透析患者に葉酸を飲ませよう!!」

と考えると思いますが、いろいろ調べてみると、葉酸の投与で、ホモシステインの値は低下しますが、心血管合併症のリスクは変化しないようです。

腎薬ニュース第4号(20074月熊本大学薬学部臨床薬理学分野,平田純生)などの文献に詳しく記載されています。

文献を簡単にまとめると、

『葉酸は、ホモシステインの値を下げるが心血管系の合併症の発生率が下がらなかかった。ホモシステインのが原因で心血管合併症のリスクが上昇するのではなく、心血管合併症が起こると、ホモシステインが上昇するのではないか?』

ということでした。

高ホモシステイン血症が、心血管合併症の原因と50年以上から言われていますが、葉酸が心血管合併症予防に対して保険適応されていないのは、効果が立証されていないからだと納得しました。

葉酸のサプリメントのホーム―ページを見ると、葉酸はさも心血管合併症の予防効果があるように書かれていますが、効果はないので騙されないように注意しなければなりません。