平成28年度度診療報酬改定(血液透析について)

はじめに

診療報酬が、平成28年度4月より新しく改訂されました。いつものことながら、ほとんどの診療報酬が下がっています。診療報酬の他に、ダイアライザーなどの血液ろ過器の材料価格(償還価格)も低下しているので透析室全体の収入も下がってしまうと思われます。

今回は、診療報酬に絞って紹介します。下に診療報酬について簡単に補足説明も載せておきますね。

項目 2014年 2016年 差額
J038 人工腎臓(1日につき)
1.慢性維持透析を行った場合
イ.4時間未満 2030 2010 -20
ロ.4時間以上5時間未満 2195 2175 -20
ハ.5時間以上 2330 2310 -20
2.慢性維持透析濾過(複雑なもの)を行った場合
複雑なもの 2245 2225 -20
3.その他の場合
その他の場合 1580 1580 0
その他の加算項目について
夜間・休日加算 300 300 0
導入期加算 300 300 0
障害者加算 300 300 0
透析液水質確保加算1 8 8 0
透析液水質確保加算2 20 20 0
下肢抹消動脈疾患指導管理加算 100 0
慢性維持透析患者外来医学管理料 2250 2250 0

透析の診療報酬の補足説

慢性維持透析を行った場合

慢性維持透析は、血液透析(HD)を施行したときにもらえる診療報酬のことです。4時間未満、4時間以上5時間未満、5時間以上の3つに分類されています。過去に、時間による診療報酬の区分がなくなったことがありましたが、患者会などの要望により復活しました。

慢性維持透析濾過(複雑なもの)を行った場合

これは、平成26年度より作られた診療報酬です。慢性維持透析濾過(複雑なもの)とは、オンラインHDFのことです。オンラインHDFについては、不思議なことに透析時間による診療報酬の区分がありません。オンラインHDFについては、施行時間によるエビデンスがまだまだ少ないからかもしれません。

その他の場合

その他の場合は、ちょっとわかりにくい表現方法です。『その他の場合』を適用するのは、ヘパリン起因性血小板などによりアルガトロバンなどの高価な抗凝固剤を透析中に使用する場合に適応します。『慢性維持透析を行った場合、慢性維持透析濾過を行った場合』では、抗凝固剤やエポ製剤の点数は透析の点数に包括化されて取れないためです。その他、オフラインのHDFもこれで請求したと思います。

その他の場合の時は、エポジンやネスプなどのエポ製剤も点数を別に取ることができます。

 

下記の加算は上記の診療報酬にプラスして取得できる点数です。

夜間・休日加算

夜間加算は、17時以降に透析を開始するまたは、21時以降に透析を終える場合に取得できる点数です。休日加算は、祝日に透析をした場合に取得できる点数です。以前どこぞのクリニックで、不正に取得していて保険医取り消しになる事件がありました・・・

導入期加算

導入期加算は、透析を導入期1月に限り1日300点を加算することができる点数です。

障害者加算

障害者加算は、痴呆、低血圧など透析を施行するのが困難な患者を透析する場合に取得できる点数です。

透析液水質確保加算1

透析液の水質を確保して届け出をすることで取得できる点数です。

透析液水質確保加算2

透析液の水質を確保して届け出をしてオンラインHDFを施行している施設で取得できる点数です。ちなみに、透析液水質確保加算1と透析液水質確保加算2を同時に取得することはできません。どちらか一方になります。

下肢抹消動脈疾患指導管理加算

新しく新設された診療報酬です。取得するにはABIを測定したり循環血流量を測定したりなど、フットケアをしたりいろいろ条件があるようです。手間がかかる割には、月100点とは安いです。

慢性維持透析患者外来医学管理料

透析患者一人につき月に1回取得できる点数です。

まとめ

毎回のことながら、改定されるたびに透析関連の診療報酬は低下しています。後、15年後には透析患者の数が減少するといわれ、ますまる透析室の運営が厳しくなります。その時にも生き残れるように力をつけておかなければならないなーと思います。

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