平成26年度改定のダイアライザの償還価格(保険点数)を解説

ダイアライザ‐の償還価格

今回は、ダイアライザ‐などの償還価格について説明します。ダイアライザの種類により償還価格は、複数に分類されています。

償還価格と診療報酬

まず、血液透析の保険点数を説明する前に、償還価格と診療報酬を理解する必要があります。
償還価格とは、手術や処置をした場合に使用した物品の代金を国(健康保険)から病院に返還してくれる料金です。それぞれの物品には、償還価格が決まっているため、病院は、償還価格より物品を安く仕入れることができれば、その差額は病院のもうけ分になります。よって、個人病院では安いメーカーのダイアライザ―を使っている施設が多いですし、よいダイアライザ―でも価格が高いとあまり使いたがりません。

診療報酬は、手術や処置などの医療行為に対して、病院が国からもらえるお金です。

よって、血液透析をした場合は、償還価格と診療報酬の2つがもらえるわけです。慢性維持透析で償還価格を請求できる物品は、どんどん減らされて、現在はダイアライザ―のみになっています。ダイアライザ―の償還価格は以下のように決まっています。

ダイアライザ―の償還価格(材料費)一覧

平成26年度のダイアライザ‐の償還価格は、以下のようになっています。

中空糸型 分類 1.5㎡以下 1.5~2.0㎡ 2.0以上㎡
1610円 1690円
1510円 1550円
1510円 1550円
1750円 1740円 1770円
1830円 1750円 1830円
特定積層型 5870円
ヘモダイアフィルター 2860円
リクセル 22600円

一覧について簡単に説明します。

中空糸型(ホローファイバー)のダイアライザ‐は、Ⅰ型~Ⅴ型に分類されています。この分類は、主にダイアライザ―のβ2ミクログロブリンの除去性能により分類されています。数字が大きいほど、ダイアライザ―の中空糸の側孔の穴が大きく、β2ミクログロブリンの除去量が多いです。

また、数値が上がるほど基本的に償還価格が高くなっています。ただ、Ⅰ型のダイアライザーも高めの価格設定になっています。これは、高齢者や栄養状態が悪い患者さんには、毒素が抜けにくいダイアライザーを使った、マイルド(ゆっくりした)毒素の除去が、体の負担を減らすことができるといった有効性があるからです。また、Ⅰ型のダイアライザ‐は、中空糸の側孔が小さい為、逆濾過(透析液が血液の中に入る)ことが少ない為、災害などにより透析液が汚染された場合にも有効とされ、点数が少し高くなっていると思われます。

他には、膜の総面積の大きさにより償還価格が変わります。1.5㎡、1.5~2.0㎡、2.0㎡以上の3つに分類されています。

特定積層型とは数層の平らな固定版の間に透析膜をはさみ、透析膜の間を血液を流し、透析膜と固定版の間に透析液を流す方法です。日本で発売されているのは、ガンブロ社のH12シリーズのみです。透析効率が悪く、プライミング方法も特殊で面倒ですが、いまだに販売され続けています。

ヘモダイアフィルターは、血液濾過(HF)、血液濾過透析(HDF)専用の血液濾過器です。通常のHDで使用するダイアライザ―と基本的に構造は同じです。HDFで診療報酬を得るには、ヘモダイアフィルターを使用する必要があります。

リクセルは、ダイアライザ―ではなく、β2ミクログロブリンの吸着器です。リクセルを使用できる透析患者さんは、透析歴が10年以上、手根管開放術を受けたことがあるなど、他にもいろいろと厳しい条件があります。

まとめ

透析患者の数も年々増加しており、現在は30万人いると言われています。日本の、医療費も年々増加しており、医療費を抑えようと厚生労働省も必死です。その為、透析の診療報酬及び、ダイアライザ‐の償還価格も年々下がっており、透析室の経営も厳しくなっています。

以前は、透析患者は金の卵を産むニワトリと言われていましたが、最近は透析は儲かりにくい為、これから新しく透析クリニックを開業する医師は少なくなっています。

質の高い透析を行うためには、透析液の清浄化や生菌検査、エポジンなどの注射など、お金がかかることが多いので、透析の保険点数を削りすぎるのはこれ以上勘弁してもらいたいと思うこのごろです。

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