血液透析の条件設定方法を簡潔に説明します

透析の条件を簡潔に説明

血液透析での透析の条件を簡単に説明します。透析患者さんやその家族の方にも最低限知っておいてほしいことを書きました。ダイアライザの大きさや、血液流量、透析液流量にどういった意味があるのでしょうか。できるだけ簡潔に紹介します。

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ダイアライザ-

ダイアライザ-とは、人工腎臓のことです。ダイアライザ-は、中空糸と呼ばれる、ストロー状の糸が2000本程入っており、その中を血液が流れます。中空糸の総面積が0.9~2.5㎡程度までのものがよく使用されます。

ダイアライザ-は、大きくなり中空糸の総面積が大きくなれば、β2ミクログロブリンなどの中分子の毒素の抜けが良くなります。しかし、カリウム、リン、BUNなどの小さな毒素は、ダイアライザ-の大きさを大きくしても毒素の抜け具合は、ほとんど変わりません。

分かっていないDrは、「カリウムやリンの値が高いからダイアライザ-を大きくしよう」などと言いますが、ナンセンスです。小分子の毒素は、拡散の速度が速い為、小さなダイアライザ-でも十分に除去できます。スタッフの方は、ダイアライザ-の添付文書のクリアランスを確認してみてください。

透析時間

毒素の除去できる量は、透析時間に比例します。透析時間が長いほど、毒素をたくさん抜くことができます。日本透析医学会の統計では、透析時間が長いほうが死亡リスクが少ないと証明されています。

そして、最低でも4時間を推奨しています。リンやBUNの値が高い方は、透析療法においては、透析時間を延ばすのが一番効果的です。

除水量

除水量は、体の水を血液透析で抜く量です。基本的に、DW(適正体重)から増えた重さの分だけ、除水します。ちなみに、理想の体重増加量は、中一日空きの日で、DWの3%以内、中二日空きで5%以内が死亡リスクが少ないとされています。

血液流量

血液流量とは、1分間に体から血液を取り出してダイアライザ-に流す量です。血液流量も、基本的に毒素の除去量に比例します。血液流量が多いほど毒素の除去量が多くなります。

ただし、血液流量を300ml/min以上は、それ以上上げても効果がないとされています。血液流量を上げると、血液がダイアライザ-を通る量は増えますが、血液がダイアライザ-内に滞在している時間が減るからと考えられています。

透析液流量

透析液流量は、ダイアライザ-の中空糸の外側を流れる透析液の流量です。500ml/min以上上げても、毒素の除去量が増えないとされており、たいていの施設では、500mlに設定されています。

抗凝固剤

抗凝固剤とは、血液を固まりにくくする薬です。血液が、体の外を出て異物と接触することにより、血液は刺激されて固まろうとします。血液が固まっては透析ができなくなるのでそれを防ぐ為に抗凝固剤を透析回路内に持続的に注入します。抗凝固剤としては、基本的に、へパリンという薬が使用されます。

まとめ

今回は、透析患者さんや新人の看護師さん臨床工学技士さん向けに透析条件の意味・見方を簡潔にまとめました。透析条件は、それぞれの患者さんにより異なります。その患者さんにベストな透析条件をDrが考えて設定しています。臨床工学技士や看護師も患者さんの血液データを確認して、透析条件の変更をDrに提案して、患者さんにとってよりよい透析を提供することが大切であり、透析業務のやりがいだと思います。


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2 件のコメント

  • 初めてまして。
    いつも参考にさせていただいてます。

    質問です。

    ダイアライザと回路内の血液充填量は
    ダイアライザの大きさにもよりますが、200~300mlくらいですよね?
    返血時に生食を300ml使用しているのですが
    ダイアライザが
    小さい人ほど、生食が多く入り、後体重を測定した際に
    100くらい、残ってしまったりはしないのですか?

    単純に考えたら、200mlの回路内血液を、300mlの生食で返血したら
    体重測定の際に、100残ってしまうと思うのですが…
    これがまた、残る人と残らない人がいるので…
    どうしてそうなるかわかりますん。
    無知な技士ですみませんが
    教えてください。

    • 当院というか、だいたいの透析施設では、ダイアライザの大きさにより返血生食の量を変えていると思います。小さなダイアライザの人は、生食300ml、大きなダイアライザの場合は生食400mlなどというように。まあ、100ml~200ml程度残るのは気にしないという施設もおおいので統一しているのではないでしょうか。

      患者さんによって、残る人と残らない人があるというのは、それぞれのコンソールの除水精度にも多少のばらつきがあったり、患者さんの不感蒸泄の個人差によるものと考えられます。

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