透析患者の皮膚の痒みの原因と対策・対処法

透析患者では、皮膚の痒みを訴える方が非常に多く皮膚の痒みはQOLに影響します。今回は、皮膚の痒みの原因とその対処方法について紹介します。この記事を読んで、痒みに悩んでいる患者に何か1つでもできることが見つかればいいなと思い記事を書きました。

かゆみの原因

皮膚の乾燥

透析患者は皮膚の汗腺といって、汗を分泌する部位が委縮します。汗によって、皮脂が皮膚全体に行き渡りますが、これが不十分になります。また、肌が乾燥するとかゆみを感じる神経が、皮膚表面に伸びてきてさらにかゆみを感じやすくなります。

毒素の蓄積

尿毒素物質の蓄積により、かゆみを感じることは広く知られています。高リン血漿による異所性石灰化を生じた場合も、かゆみの原因となるようです。

アレルギー反応

透析により、血液が透析回路やダイアライザなど異物に触れることにより、補体の活性化、サイトカインなどの産生が増加します。これらの物質によるアレルギーによりかゆみを生じることがあります。

薬剤

消毒液(アルコール)、ペインレステープ、固定用のテープなどが体に合わない場合、かゆみを生じることがあります。特に、回路などを腕に固定するテープによる痒みを訴えられる患者が多いのを自分も感じます。

かゆみの対策

痒み原因の除去

痒みの原因を1つ1つ検証して、その原因を取り除くことが必要です。薬剤、透析機器、固定テープ、ペインレステープなど、可能であれは中止または、他の種類のものに変更します。

外用薬

皮膚の乾燥による痒みの場合は、外用薬を使用します。抗ヒスタミン剤、尿素・副腎皮質ステロイドが含有される軟膏を塗って、皮膚の乾燥を防ぎます。

中分子毒素の除去

皮膚のかゆみや、下肢のイライラなどは、オンラインHDFによる大量補液により改善することが多くあります。まだまだ、解明されていない中分子毒素を除去することにより痒みが改善されると言われています。

投薬

内服薬としては、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬が使用されています。抗アレルギー薬としては、ミノファーゲン製剤の強力ネオミノファーゲンシー(強ミノ)が多く使用されています。
抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬が効かない場合は、鳥居薬品のレミッチを使用すると改善する場合があります。レミッチは、内因性オピオイド等が関与するかゆみ発現を防ぐ効果があるそうです。

[参考文献]
透析患者の生活指導ガイド、血液浄化療法ハンドブック、ほりき皮膚科クリニックHP(http://horiki-hifuka-clinic.com/)、鳥居薬品HP(http://www.remitch.jp/product/express_mechanism.html)