透析患者のK(カリウム)の管理方法についてまとめました

今回は、透析患者の食事で一番気をつけたい、カリウム(K)について紹介します。特に、カリウムの多く含まれる食事や、カリウムの摂取量を減らす方法についてまとめました。それでは、カリウムとはなんなのかということから説明しますね。

カリウムイオンは、細胞内に多く含まれており細胞内濃度が157mEq/L、細胞外の組織液に4mEq/L含まれます。
この細胞内と細胞外のKの濃度差により心臓の興奮や筋肉の運動を助けています。よって、食事によりカリウムを過剰に摂取すると細胞外のカリウム濃度が上がって、細胞内と細胞外のカリウムの濃度差が少なくなり、心臓の興奮がしにくい状態になり、不整脈の発生や、心停止の恐れがあります。よって、3.5~5.5mEq/Lになるように管理することがひつようです。

血清K(カリウム)値の管理
3.5mEq/L以下 注意 脱力感、不整脈
3.5~5.9mEq/L 安全
6.0~6.4mEq/L 注意 口唇周囲の痺れ
6.5mEq/L 危険 致死性不整脈
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カリウムの摂取量

健常人の1日のカリウム摂取量は2000mg程度と言われています。透析患者では、尿からカリウムの排泄ができないため、カリウムの摂取量を制限する必要があります。透析患者のカリウムの1日の摂取量の目安は1500mg以下です。

カリウムが多く含まれる食事

カリウム制限をする為には、食物に含まれるカリウムの量を覚えておく必要があります。
カリウムは、ほとんどの食事に含まれていますが、特にいも類、種類、果物、野菜に多く含まれます。全部覚えるのは、難しいので特にカリウムが高い食物については最低覚えておきましょう。

K共有量の多い食品(100g当たり)

芋類 里芋(610)、大和芋(590)、さつま芋(470)、じゃがいも(410)
種実類 バターピーナッツ(760)、カシューナッツ(590)、甘栗(560)
豆類 きな粉(1900)、大豆(1900)、納豆(660)
魚類 さわら(490)、ひらめ(440)、まだい(440)、かつお(430)
肉類 豚ヒレ(410)、豚もも脂身なし(360)、牛ヒレ(350)
乳類 脱脂粉乳(1800)、牛乳(150)、加糖ヨーグルト(150)
野菜類 ほうれん草(690)、たけのこ(520)、小松菜(500)、カリフラワー(410)
きのこ類 まつたけ(410)、ほんしめじ(300)、生しいたけ(280)
果実類 アボガド(720)、バナナ(360)、メロン(340)、キューイフルーツ(290)

<血液浄化療法ハンドブック 2015より引用>

カリウム制限の方法

調理方法

カリウムは、食物の細胞の中に多く含まれます。その為、食物を加熱してもカリウムの値を下げることはできません。食物のカリウムを減らすには、食物を煮る方法や、水につける方法(野菜に効果的)があります。煮たり、水にさらす場合は小さく切ったほうが効果が上がるそうです。ただし、煮汁などは捨てるようにしてください。

血中のカリウム濃度を下げる薬もあります。鳥居薬品から『ケーキサレート』というカリウム吸着剤が販売されています。ケーキサレートは、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを主成分として、腸管内でカリウムとイオン交換することにより、腸でカリウムが吸収されるのを防ぎます。副作用の頻度も比較的少ないので使いやすい薬だと思います。詳細は
鳥居薬品のHPを参照してください。

まとめ

今回の説明でカリウムの制限方法が理解できたでしょうか。カリウムの制限は、透析患者にとって、直接命にかかわる大切な事項です。透析スタッフは、しっかりと患者に指導して患者が理解できるように手助けする必要があります。