透析患者の悪性腫瘍の特徴を紹介します

老人

初めに

一般人の死因の1位は、癌、2位は心疾患、3位は脳血管疾患です。それに対して、2013年度の透析患者の死因の1位は、感染症、2位、心不全、3位、悪性腫瘍(癌)となっています。一般人と比較して、癌のランキングは、下ですがはたして、透析患者の癌発生率は、一般人と比較してどう異なるのでしょうか。

一般住民と比較して

我が国において、透析患者と透析をしていない一般の人と、癌の発生率を比較した研究は1つしかありません。それによれば、男女とも一般市民と比較して、有意にがん発生率が高いといえました。欧米での研究によれば、相対危険度は1.8倍と言われています。

透析導入後、1年以内に44.7%、5年以内に88.3%の悪性腫瘍が診断されており、透析導入前から癌が発生していた場合が多くあると考えられます。したがって、透析導入の原因である慢性腎臓病は癌の発生リスクを上昇させると考えられます。

透析患者に多い癌

透析患者に起こりやすいがんは、一般人と異なります。また、男女とも違います。

透析患者の男性に多いがんは、順番に、『腎がん多発性骨髄腫、肝がん、結腸癌』です。特に、腎がんは、一般人と比較して、4倍、多発性骨髄腫は、3.3倍の発生率になります。

透析患者の女性では、子宮がんの発生率が高く、一般女性の約2倍のリスクがあります。

悪性腫瘍の早期発見の為に

透析患者の悪性腫瘍を早期に発見するには、まず透析導入時に悪性腫瘍の検査を行うことです。特に、透析患者の発生頻度の多い『腎がん、多発性骨髄腫、肝がん、大腸がん、子宮がん』の癌がないかを調べる必要があります。

腎臓がんについては、透析導入から5~10年程度経過して、腎臓に嚢胞ができてそれが癌化することにより発症します。腎がんの検査は毎年1回は必ず行う必要があります。

 

まとめ

以前は、透析患者の死因は心不全が多かったのですが、透析患者の高齢化に伴い、悪性腫瘍や感染症で死亡する比率が上昇しています。その為、透析患者の寿命を延ばすためには癌の早期発見が大切です。

透析患者の場合、定期的に採血・検査を行う為、癌が発見された場合も比較的に早期癌の場合が多く、手術により完治する場合が多いです。ただ、外来透析での検査だけでは全ての癌を発見することが難しいので、地域でのがん検診なども併用して、定期的にがん検診を行う必要があります。

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