透析患者のMIA症候群を予防するには!?

MIA症候群とは

MIA症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか?MIA症候群とは

・栄養障害(malnutrition)
・炎症(inflammation)
・動脈硬化(atherosclerosis)

それぞれの頭文字をとったもので、MIA(ミア)症候群と呼びます。透析患者は、食事制限やホルモンの代謝異常により、食欲不振になりやすい傾向です。

食欲不振になると、栄養状態が悪くなり、感染症になりやすくなります。感染症になると、体内で炎症性サイトカインが増加して動脈硬化が促進されたり、さらに食欲低下につながります。このように栄養障害・炎症・動脈硬化は、綿密なつながりがあります。

MIA
<MIA症候群のメカニズム>

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MIA症候群を詳しく

【栄養障害】
特に高齢の透析患者は、栄養障害の方が多いです。透析患者の1/3に栄養障害があると言われています。栄養障害では、傷の治癒の遅延、易感染、脳血管障害の原因になり、生命予後を悪くします。

栄養障害の原因としては、食事摂取量の低下、炎症、インスリン抵抗性、透析関連があります。食事摂取量が低下するのは、食欲中枢調節ペプチドホルモンおよび、視床下部におけるアミノ酸代謝異常が影響しています。食欲中枢調節ペプチドホルモンには、リガンドというホルモンがあります。透析患者では、リガンドの血中濃度が低下しています。

また、必須アミノ酸であるBCAA(分岐アミノ酸)の低下は、食欲の低下を招くと言われていますが、これも透析患者では低下しているようです。

【炎症・動脈硬化】
炎症については、血液透析自体が、体内での炎症反応を促進させます。血液透析によるでは、ダイアライザや血液回路と血液が接触すると、異物に反応して、免疫系が刺激されて体内での炎症性サイトカインの分泌が促進されます。
炎症性サイトカインは、血管内皮細胞に障害を与え動脈硬化を促進します。

MIA症候群の予防

MIA症候群の治療は、炎症性サイトカインの発生を抑えること及び、十分な食事をすることです。

サイトカインを抑えるには、生体適合性の良いダイアライザを使ったり、透析液の清浄化をすることです。

生体適合性の良いダイアライザとしては、一般的によく使用されている、ポリスルホン系の膜は良いとされています。さらに、旭化成では、ポリスルホン膜にビタミンEをコーティングした膜が発売されています。ビタミンEをコーティングすることにより、より生体適合性が良くなるそうです。

他には、バクスター社の積層型ダイアライザのAN69膜では、サイトカインの吸着効果があり、MIA症候群の患者に対して有効であるという学会発表もよく耳にします。

まとめ

臨床工学技士が、配管の消毒方法を工夫したり、ETカットフィルタを装着・交換したりなどの、地味な作業により透析液の清浄化が保たれています。このような作業により、MIA症候群を防いでより生命予後のいい透析の実現に貢献しています。

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