ニプロの透析装置(NCV-2)のレビュー

透析装置のメーカーについて

血液透析に使用される透析監視装置(コンソール)は、複数のメーカーから発売されています。日機装、東レ、JMSなどが多くのシェアを占めていますが、最近ではニプロを使用する施設も増えてきています。メーカーにより、内部の動作原理が異なったりしますが、基本的に行える治療は同じです。どのメーカーの装置を使用するかは、最終的には施設の責任者により決まります。

施設によっては、いろんなメーカーのコンソールがごちゃ混ぜになっている施設も見かけますが、安全性やメンテナンスの習熟を考えると,できるだけ同じメーカーの同じ機種で揃えることが望ましいです。今回、ニプロの透析装置を使用している施設を見学する機会がありましたので、ニプロの装置を見学した感想や、使用している施設のスタッフに感想を教えていただきましたので簡単に紹介します。

ちなみに、私は日機装の装置しか使用した経験がありませんので、それが基準となります。

 

ニプロの装置を選択した理由

ニプロの装置を使用している施設の多くは、小規模の透析クリニックが多いと思います。なぜなら、ニプロの装置は、他のメーカーと比較して非常に安く、値引き額が大きいからです。昔から、ニプロは安売りが大得意です。ニプロの営業は、安くするから買ってくれと、非常にうっとうしい営業をしてきます。

自分の地区だけかと思っていたら、ぐうたら臨床工学技士のしがない日々(ニプロという会社の営業姿勢 (*`・・´)マジムカツク)でも、そのような営業が来たと搭載されていました。私の職場の上司も、依然怒鳴り散らして以来、来なくなったといっていましたが、どこも同じようです。

日機装は他のメーカーと比較して装置や装置の消耗品の値段が高いと有名です。それでも日機装は、透析の分野では歴史があり信頼性が高い為シェアが高いのでしょうね。

 

ニプロの装置の長所と短所

見学した施設の透析用監視装置は、NCV-2(詳細)という装置で揃えられていました。これは、オンラインHDFに対応して、自動脱血・自動返血に対応した透析装置です。日機装でいうところのDCS-100NXに該当する装置です。

1.NCV-2の長所

日機装のDCS-100NXも非常に、コンパクトですが、NCV-2はそれよりも少し小さい印象でした。他に優れている点は、DCS-100NXでは、透析液を流せる最大量は、700ml/minですが、NCV-2では800ml/minまで流せるそうです。

透析液を流すことができる量が多いと、透析液側の流量を下げることなく、補液量を増やすことができます。

ただ、見学した施設では、オンラインHDFでの透析液の総使用量は、透析液と補液を合わせて500ml/minであり、前希釈HDFなのに総補液量は、10L程度と、透析液をけちったオンラインHDFを施行していました。このようなオンラインHDFの条件では、中分子量蛋白の除去効率は、四型ダイアライザを使用したHDと変わりません。診療報酬獲得だけが目的のHDFをしているのを目にして、残念な気持ちになりました。

ちなみに
平成26年度改定の血液透析の診療報酬)では
・4時間のHDの診療報酬は、2195点
・オンラインHDFでは、時間に関係なく2245点となっています。

その他、NCV-2の良い点は、排液ポートがあることです。装置をプライミング時などに洗浄した排液をそのまま装置に戻すポートが付いています。排液ボトルに排液を流していると、排液ボトルやその配管にカビが生えたり、流しすぎると、排液ボトルから逆流したりすることがあったので、これは便利だと思いました。

 

あと、悪い点ですがこれは、たくさんあります。順番に紹介します。

2.NCV-2の短所

装置の動作音が大きい・不快

日機装の透析用監視装置(DCS-26,DCS-27,DCS-100NX)との比較になりますが、装置の動作音が、大きいです。この騒音は、装置内部から聞こえます。さらに、この音が高周波の高い音であり、非常に不快です。『ウィィーーーン』と透析工程中に継続的に鳴り続けます。患者さんからも、「耳鳴りがする」「うるさい」などのクレームがときどきあるそうです。

日機装に慣れている自分は、真っ先にこの動作音を不快に感じました。日機装では、透析中には、複式ポンプの動作音がわずかに聞こえる程度であり、このような高周波帯域の音でないので不快に感じません。患者さんは透析中、継続的にこの音を聞くことになりますので、快適な透析室の空間を作りたいと考えている経営者はよく考えたほうがいいと思います。

エンドトキシン補足フィルタ(ETRF)のエア抜きが面倒

装置の構造上の問題か、ETRFの交換後のエア抜きに時間がかかるそうです。ETRF交換後には、メンテナンスモードで各種設定を切り替えてエア抜きをする必要があります。この操作を行いエア抜きを完了するのに15分程度の時間が必要であると言われていました。日機装では、ガスパージもしくは、配管自己診断モードにするだけで5分程度でエア抜きができます。

装置の初期不良が多かった

これは、製品の品質の問題でしょうか?やはり、「安かろう悪かろう」でしょうか。導入したそうちの血液ポンプのグリス不足による異音や、気泡検知器のエラーなど複数の装置でトラブルがあったそうです。スタッフさんも、日機装の装置を使用していたころと比較すると、トラブルが多いといわれていました。

ただ、装置自体が新しいからトラブルが多いのかもしれません。故障頻度を表すバスタブカーブでも、新しいうちは比較的トラブルが多いと言われます。

 

まとめ

見学した施設は、開業後1年未満であったので、装置の耐久性や長期的な問題点などは知ることはできませんでした。ただ、溶解装置や供給装置もときどきトラブルが発生しているようです。それについてはまた、別の機会に紹介します。

施設を見学したり、話を聞いていて、やはり安心はお金で買わないといけないんだと感じました。