ニプロ社制の『ダイアライザーとヘモダイアフィルタ―』一覧を紹介します。

ニプロのダイアライザまとめ

ニプロの透析用膜をまとめました。

現在、HDF専用の透析フィルターで、ニプロのファインフラックス膜が大変人気があり、多くの施設で使用されています。今回は、ファインフラックスを含むHDF用のフィルターとHD用のフィルターについてまとめました。

1.ダイアライザー(HD用)

ニプロのHD用のダイアライザーは、膜素材の違いにより、『FB-ecoタイプ、PES-ecoタイプ』の2種類に分類することができます。それぞれの特徴を以下に簡潔に紹介します。

FB-ecoタイプ

FB-ecoタイプは、中空糸にセルローストリアセテートを使用したダイアライザーです。セルロース膜は、一般的にはポリスルホンなどの合成高分子膜と比較すると生体的合成がやや劣るといわれています。

長所としては、PVP(ポリビニルピロリドン)、BPA(ビスフェノールA)が使用されていません。合成高分子膜のポリスルホン膜では、生態的合成を高めるためにPVPが添加されていますが、これが透析中に溶け出して患者がショックやアレルギー反応を起こすことがあります。このような患者には、FB-ecoタイプのダイアライザーが有効と思われます。

ちなみに、FB-ecoは、Ⅰa,Ⅰb型の系12種類のラインナップがあります。溶質の除去量が異なるたくさんの種類の膜があるので、それぞれの患者の状態にあった膜を細かく調整することができます。

PES-ecoタイプ

PES-ecoタイプは、中空糸の素材に透水性に優れるポリエーテルスルホンを使用しています。この膜は、BPAはフリーですが、PVPは使用されているようです。Ia,Ⅱa,Ⅱbの系9種類がラインアップされています。

以下にFB-ecoタイプ、PES-ecoタイプの目標性能イメージマップを搭載します。膜を選択するときに参考にしてください。

ダイアライザー性能表

(ニプロ社 透析トータルシステムのパンフレットより転載)

2.ヘモダイアフィルタ(HDF用)

ニプロ社は、透析の分野では後発の為、ダイアライザーのシェアは少なめでした。しかし、HDF用のヘモダイアフィルタ―のファインフラックスが大変画期的な発明であり、フィンフラックスに限っては、とても多くの施設で使用されています。

FIX-Eに限っては、生産が追い付かない為、供給が間に合わない状態とのことです・・・

ちなみに、ニプロで現在発売しているヘモダイアフィルタ―は、『FIX(ファインフラックス)』と『MFX(マキシフラックス)』の2種類に大別されます。

FIX-eco

FIX-ecoは、ニプロが独自で開発した非対称構造に設計したATA(Asymmetric Traiacetate)膜を使用したヘモダイアフィルターです。

従来のCTA(セルローストリアセテート膜)を改良することにより膜表面の凹凸が小さくなり、高い蛋白分画特性と濾過性能の経時劣化抑制が実現されました。

ATA膜表面

(ニプロ社HPより)

CTAがもとになっている為、PVP・BPAもフリーです。

ちなみに、FIX-Eeco、FIX-Secoの2つがラインナップされており、FIX-Secoのほうが、中分子タンパクの除去量が多めです。

私の施設でもこのフィルターを使用していますが、TMPの値が透析開始から終了まで常に一定(非常に低い値)であり、透水性が非常に良いことが感じられます。on-lineHDFで大量補液してもTMPが上昇しないので、大量補液をしても、アルブミンリーク量の管理もしやすいため、非常に使用しやすいです。

MFX-eco

ポリエーテルスルホン膜を使用したヘモダイアフィルタです。除去量の異なる4種類のタイプがラインナップされており、MFX-Meco<MFX-Eeco<MFX-Seco<MFX-Uecoの順番に中分子量タンパクの除去量が多くなります。

前希釈ニプロHDF

後希釈ニプロヘモダイア(ニプロ社 透析トータルシステムのパンフレットより転載)

まとめ

最近の透析医療では、α-1ミクログロリンの領域のサイズの物質まで除去したほうが生体に良い影響を与えると報告されています。50L、60Lなど大量の補液をしたOHDFで十分に、α-1MGの領域の毒素を除去すると掻痒感、不特定愁訴の改善にも良い効果が表れることが多いです。

食事が十分にできていて、アルブミン値が安定している患者には、透析液を十分に清浄化したうえで、Ⅱb型のダイアライザーを使った血液透析もしくは、OHDFにより、α-1MGの除去率を30~40%程度を目指すといいです。