透析看護師の一日の業務の流れについて

看護師

今回は、透析室での看護師の一日の仕事の流れについて紹介します。看護師にとって透析業務は一般病棟の業務と大きく異なります。透析室に異動になったり、透析室に転職する場合にかなり不安が大きいと思います。

そのような不安を解消するために、透析室の一日の流れに沿って透析室の看護師業務を紹介したいと思います。

透析準備の看護師の業務

カンファレンス

出勤すると他の部署と同様に、前日の透析業務についての申し送りや、本日の業務の確認など行われます。10分程度で終わります。

透析のプライミング

プライミングとは、透析回路とダイアライザ(人工腎臓)を組立て、生理食塩水で洗浄して、透析をできる状態にセットすることです。臨床工学技士、看護師が行う共通の業務です。

最近では、透析装置に「自動プライミング機能」というものが付いた装置が普及しています。その機能を利用すれば、複雑な手技を覚えることなく、回路を取り付けて、スイッチを入れることで自動で洗浄できます。

薬剤の準備

血液透析では、血管から血液を採り出す為に、血液が透析回路内で凝固しない為に、抗凝固剤(ヘパリンなど)を持続投与します。最近は、プレフィルドといって、初めからシリンジに薬剤が充填されてそのまま使用できるものもあります。

プレフィルドのシリンジを使用していない場合は、ヘパリンの原液の入ったアンプルから、必要単位のヘパリンをシリンジで吸って、生理食塩水で希釈する必要があります。準備した抗凝固剤は、透析装置にセットします。

その他、透析患者は、腎機能を代償する為に、沢山の薬を投与します。これらの薬のうち一部は、透析終了後に透析回路から注射します。これらの薬の準備なども毎日の業務です。

患者来院時の看護師の業務

透析患者が来院したら、患者の体重を測定します。体重増加量を、透析で水を抜く為です。そして、ベッドに来たら体調の確認をします。体温測定・血圧測定・内シャントの音の聴取、などを行います。

内シャントとは、動脈血管に静脈を手術によりつないだ血管です。静脈から血液をたくさんとりだす為に、透析患者は内シャントを造っています。この血管が閉塞することがあるので、聴診器で毎朝、血液が流れているか血流の音を確認します。

透析監視装置の設定値のチェックなど

透析開始前に、透析監視装置(透析の機械)に、水を抜く量や、抗凝固剤の挿入速度など設定します。臨床工学技士、看護師が行う共通の業務です。

体重がめちゃくちゃ増えている場合は、Drに報告して透析条件の設定を確認したりすることもあります。

透析開始(穿刺、穿刺の介助)

透析の開始は、1人の患者に対して穿刺者と介助者(機械の操作をする人)の2人で行います。看護師・技士が穿刺をする施設が多いです。医師のみが穿刺する施設も10%程度あるようです。

透析装置の操作(開始の操作)

穿刺の介助者は、穿刺が終わったら、穿刺した針や、透析の回路を患者から抜けないようにテープで固定します。固定が終わったら、透析監視装置の血液ポンプを回して、患者から血液を採り出します。

そして、透析回路内に血液が充填されたら、透析開始のスイッチを押して、透析を開始させます。透析室の、業務は「機械の操作が不安。」という声が聞こえますが、操作する方法は決まっているし、手順も少ないので簡単に覚えられます。

輸液ポンプ・シリンジポンプの操作

透析中には、血管内から水を引く為血圧が下がる患者が多くいます。血圧が下がりすぎて透析困難な患者の場合は、透析中に輸液ポンプなどで昇圧剤をいれます。昇圧剤の他に、アルブミンの点滴や、抗生剤を投与することもあります。


透析中の看護師の業務

血圧測定

透析中は、30分~1時間に1度に血圧を測定します。血圧低下時は、透析液温度を下げたり、下肢挙上したり、Drに報告して昇圧剤を注射したりなど行います。できるだけ、透析中の血圧変動を少なく治療することが透析スタッフの大切な役割です。

透析中の血圧変動が少ないほど、患者の負担が少なく、生命予後にも関わります。

患者さんの観察

透析患者が安全に透析をできているか常にフロアで誰かが監視します。認知症患者の場合、透析中に針を抜いて出血させる患者がいたり、除水量が多く透析中に血圧が低下して失神したりする患者もいます。

万が一そのような事故が発生したときでも迅速に対応できるように、常にフロアを監視します。

返血時の注射の準備

透析業務は、透析開始時と終了時がバタバタして忙しいですが、透析が開始されたら落ち着きます。その間に、透析終了時に注射する薬剤の準備などを行います。

傾聴

患者との信頼関係が強くなると患者の悩みを聞いたり、透析の相談を受けることもあります。また、透析とは関係ない世間話をしたりもします。

フットケア

透析患者は、糖尿病の方が多いので、足の指に壊疽などなりかかっていないか観察をします。足湯を行ったりもします。

下の世話

寝たきり患者の場合は、透析中に排便をすることがあるので、下の世話をすることもあります。

急変時の対処

透析中に、まれに心停止を起こす場合があります。その場合は、蘇生を行います。

透析終了時の看護師の業務

返血

透析が医師の指示時間に達すると、血液を透析回路から患者に戻します。最近では、自動返血装置が付いており、ボタンひとつで返血ができる装置もあります。返血後に、抜針して止血します。

機械・ベッドの清拭

患者が帰ったら、透析監視装置の清拭や、シーツの清掃などをします。看護助手のみが行っている施設もありますが、看護師、技士が中心に行います。シーツの清掃は、コロコロでします。シーツ交換は1週間に1回程度行います。

透析監視装置は、血液で汚染されやすいのでしっかりと清拭をして感染予防に努めなければなりません。

 床拭き

透析室の床も掃除します。看護助手が行う施設が多いですが、いない場合は看護師・技士も行います。

翌日の物品配布

各透析のベッドに翌日に透析する患者の薬品を配ったりします。

申し送り

1日の業務の申し送りを全員で行います。

その他の看護師の業務

看護計画

透析患者数名を割り当てられて、その患者の看護の計画を立てます。これがかなり面倒だと愚痴を良く聞きます。

研究

施設によりますが、透析・看護について研究して学会や院内で発表したりもします。

患者指導

透析患者の採血データをみて、基準値から離れていたり、体重増加量が多い場合は、食事指導や、生活の指導を行います。

まとめ

透析看護師の一日の業務の流れを紹介しました。文字にしてみると、たくさんやることがあって大変だと感じたかもしれません。たしかに、透析室の仕事は、「透析開始時・終了時」の1時間ほどはバタバタして忙しいです。

しかし、それ以外の時間は、それほど仕事が詰まっていなく、ゆったりと過ごすことができます。透析クリニックに転職した看護師さんに理由を聞くと、「病棟のバタバタした雰囲気が苦手」という理由で透析室に転職される看護師さんも多いです。

 

 

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以下に使い方をまとめましたので、よかったら読んでみてください。

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