透析患者の色素沈着(黒くなる)理由と予防法について

日焼け2007年の透析医学会雑誌に投稿された論文においても、透析患者は皮膚が黒くなる(色素沈着する)ことが報告されています。そして、透析期間が長いほど皮膚が黒くなると報告されています。

男性では、それほど気にならない人も多いですが、女性の場合はとても心配される方が多くいます。

なぜ、透析をすると色素沈着を起こすのか?その原因と・予防法について簡単に紹介します。

 

皮膚が黒くなる原因

透析患者では、皮膚を黒くする物質であるメラニンを造るホルモン(ベータ・リポトロピン)が健常者のおよそ17倍になると報告されています。

腎不全によって、色素沈着を起こす物質を排出することができなくなることにより、色素沈着が促進されるようです。

また、日焼けした場合も、透析患者の場合は戻りにくいようです。

臨床の現場では、「透析量が不足している患者が黒くなる傾向がある」とよく言われます。
確かに、体格が大きい患者では、色素沈着を起こしている患者の割合が多いような気もします。

これは、同じ透析条件でも体格が大きいと、溜まる毒素の量も多くなる為、十分な透析量が確保できていないためだと思われます。

透析効率を表す、KT/Vにおいても、体液量であるVが分母にある為、体格が大きいほど透析量は、低くなります。

やはり、十分な透析量を確保する為には、70kg、80kgと体格が大きい患者は、4時間透析では十分な透析量を確保することが難しいです。5時間透析にしたり、出来ればオーバーナイト透析で長時間透析ができればいいのですが。

 

皮膚の色素沈着を防ぐ方法

十分な透析量を確保する

透析不足の患者が色素沈着が多い傾向があることから、まずはしっかりとした透析を行うことが大切です。血流量も、200ml/minという値にとらわれずに、250、300ml/minと上げたり、体格が大きい患者の場合は透析時間を5時間以上にしたりすることが必要です。

他には、オンラインHDFも有効な治療です。オンラインHDFでは、小分子以外の、中分子の毒素を除去することができます。この中分子毒素の中には、まだ解明されていない毒素も含まれている可能性が高いようです。

日焼けを避ける

透析患者の場合、一度日焼けするとなかなか元に戻りません。日焼け止めクリームを塗るなどしてできるだけ日焼けを避けましょう。

 

まとめ

最近では、透析をしているからといって、色素沈着が強い患者はとても少なくなってきたように感じます。ハイパフォーマンスダイアライザやオンラインHDFの普及により、十分な毒素の除去ができるようになってきたためだと思います。

十分な透析は生命予後の改善だけでなく、色素沈着の予防にも効果があります。