医療機器安全管理料1の加算基準と安全管理責任者の業務

医療機器安全管理料は、医療機器のメンテナンスにより病院が唯一得ることができる診療報酬です。診療報酬は、かなり低いですが臨床工学技士がいないともらえない診療報酬なので、臨床工学技士にとってはとても重要です。今回は、医療機器安全管理料1について詳しく紹介します。

SPONSORED LINK

<医療機器安全管理料1の概要>

【医療機器安全管理料1とは】
常勤の臨床工学技士を配置し、医療安全対策の体制を整備している医療機関において、生命維持管理装置を用いて治療を行った場合、月に1回100点を請求することができる。
【点数】
患者1人に対して月に1回100点
【施設基準】
・医療機器安全管理に係る常勤の臨床工学技士が1名以上配置されている。
・医療に係る安全管理を行う部門(医療安全管理部門)を設置していること。
・病院内に、医療機器の安全使用の為の責任者(医療機器安全管理責任者)が配置されていること。
・病院スタッフに対して、医療機器の安全使用の研修が行われていること。
・病院内の医療機器の保守点検が適切に行われていること。
【対象とする医療機器】
・人工心肺装置
・補助循環装置
・人工呼吸器
・血液浄化装置(人工腎臓を除く)
・除細動器
・閉鎖式保育器

<医療機器安全管理責任者とは>

医療機器の安全使用のための責任者(医療機器安全管理責任者)は、2007年3月30日の医療法の改正で配置が義務化されました。
【資格】
医師、歯科医師、薬剤師、助産師(助産所の場合にかぎる)、看護師、歯科衛生士(歯科医院に限る)、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士のいずれかの資格を有していること。
【業務】
・従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施
・医療機器の保守点検に関する計画の算定および保守点検の適切な実施
・医療機器の安全使用のために必要となる情報の収集
・医療機器の安全使用を目的とした改善のための方針の実施

<まとめ>

医療事故の頻発の改善のために2007年に医療機器安全管理責任者の配置が義務化されました。そして、その翌年の2008年に医療機器安全管理責任者を配置して適切に医療機器の保守管理を行っている施設に医療機器安全管理料1の算定が認められました。2008年の医療機器安全管理料1の点数は50点でした。

日本臨床工学技士会で調べた施設当たりの医療機器安全管理料1の月当たりの総額は、300床の総合病院で約4000点(4万円)、400床の総合病院で約9000点(9万円)、800床の総合病院で約22000点(22万円)でした。どの施設も人工呼吸器の治療による加算がほとんどでしたが、病院規模の大きいほど生命維持管理装置を多用する為、収益が大きい傾向にありました。

病院経営のことを考えれば、最低でも20000点(20万円)の収入にならないと、臨床工学技士の配置が促進されないと、日本臨床工学技士会は診療報酬の増額を訴えました。そして、2010年の診療報酬の改定でその要望がかなえられて、50点から100点に増額されました。
医療機器安全管理責任者の業務は、医療機器についての研修や、保守点検などほぼ、臨床工学技士が行うことになると思われます。保守管理については、日本臨床工学技士会から『医療機器安全管理指針第一般』が発行され、日本臨床工学技士会のホームページからPDFファイルで無料でダウンロードすることができますので参考にされてはどうでしょうか。