臨床工学技士の透析室の仕事は?②(準備・メンテナンス編)

今回は、臨床工学技士の透析室での『準備・メンテナンス』業務について、どのような仕事があるか説明します。

透析室での、臨床工学技士の準備業務は、透析で使用する物品の準備や患者さんの治療に使う透析回路の組み立て・洗浄(プライミング)などがあります。

メンテナンスについては、透析監視装置の毎日の点検(日常点検)、1カ月毎の定期点検、数年ごとのオーバーホール(部品交換)などがあります。それぞれの業務について簡単に説明します。

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準備業務

透析回路の組み立て(プライミング)

ダイアライザ‐と透析回路を組立てて、洗浄を行います。透析回路には、血液の凝固を防ぐために抗凝固剤をセットします。透析回路の洗浄(プライミング)については、最近では自動プライミングといって、半自動で行う洗浄方法が広がっています。

透析液濃度の測定・残留塩素の測定

透析液は、粉末を水で溶かして一定の電解質濃度に調整して使用します。毎朝、透析液の電解質の値が、正しい値になっているか確認します。
また、透析液の流れる配管は、雑菌やタンパク質等の除去を目的に塩素系の薬剤で洗浄します。洗浄に使用した、薬剤が透析液に混じっていないかも確認します。

透析監視装置の清拭

透析監視装置は、感染予防のため患者さんの治療が終わったら消毒液に浸したペーパータオル等で清拭します。

物品の準備

その日の血液透析が終わり、透析監視装置の清拭が終わったら、翌日に透析を行う患者さんの物品を透析監視装置にセットしたり、透析に使う物品・薬品を配布します。

透析液の作成、透析液供給装置の洗浄

透析液は、透析液調剤室で作成されます。透析液を作る機械は、大きく3つに分けられます。RO装置、透析液溶解装置、透析液供給装置があります。

RO装置は、透析液を作るののに使う水を奇麗にする働きがあります。
透析液溶解装置は、粉末状の透析液を溶かします。
透析液供給装置は、透析液溶解装置で溶かされた透析液のA液とB液を混ぜて透析液の濃度を調整して、それぞれの患者監視装置に、透析液を送り出します。
透析液溶解装置と透析液供給装置は、透析治療後に洗浄を行い、洗浄後に透析液の作成を始めます。

 

メンテナンス

透析監視装置の日常点検

透析監視装置は、直接命にかかわる重要な医療機器です。毎日、使用する前に点検を行います。日常点検は、簡単な点検で、外観(見た目)の点検が主です。

透析回路組み立て後のチェック

透析回路の組み立ては、人が行う以上、組み立てのミスを犯すリスクがあります。そのリスクを減らすために、プライミング後に、他の人に点検を行ってもらいます。

1月ごとの定期点検

除水量の確認や、バランステスト、装置内に液漏れがないか確認します。

オーバーホール

各メーカーの透析監視装置は、部品の交換時期がメーカにより定められています。透析監視装置内は、複数のポンプや電磁弁などがあります。それぞれのポンプを分解して消耗品の交換を行います。

臨床工学技士は、さまざまな機械のメンテナンスを行いますが、透析監視装置のオーバーホールが一番細かいとこらまで技士がかかわっていじれる装置といえます。オーバーホールは、1台あたり2~3時間かかります。

オーバーホールを行うには、各メーカーの研修に参加して技術を習得する必要があります。日機装の研修は、4,5日にかけて泊りこみで行われます。

 

まとめ

臨床工学技士の中心となる業務といえるメンテナンス業務ですが、メンテナンス業務は、診療報酬につながらないので、病院内でもなかなか評価されません。しかし、透析中にトラブルなく医療機器を使うためには、メンテナンスは、必要不可欠です。

業者に、オーバーホールを依頼すると、高額かかります。臨床工学技士が、メンテナンスを行うことでコストを減らしたり、急なトラブル時でも早急に対処できたりなどメリットがあると思います。メンテナンスで大切なのは、正確であることと、スピードです。

いくら、丁寧でも遅いと、時間がかかり残業代などのコストが上がってしまいます。日ごろから、どうすれば丁寧で素早く業務が行えるか考えて工夫しながら仕事をすることが自分のスキルを上げるために有効であると思います。

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