二次性副甲状腺機能亢進症とは?PTHの上昇の原因に!?

PTHと二次性副甲状腺機能亢進症について

PTHとは

PTHとは、副甲状腺から分泌されるホルモンです。
働きは、
・骨を溶かして血液中にCaを供給する。
・小腸での、Caの吸収を促進する。
・腎臓からCaの排出を抑制する
ようは、血液中のCa濃度を上げる働きがあります。

透析患者さんの場合は、PTH は通常は3か月に1回測定します。

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二次性副甲状腺機能亢進症とは

慢性腎不全になると、PTHの分泌が過剰になり線維性骨炎(骨がスカスカになる)や血液中のCaの濃度が上昇して、血管の石灰化などを起こします。

このように、腎臓が悪くなることでPTHの分泌が過剰になり、さまざまな合併症を起こすことを、二次性副甲状腺機能亢進症といいます。

PTHが上昇する原因

PTHは、低Ca血症、高P血症に刺激されて分泌が増加すると言われています。

低Ca血症

慢性腎不全になると、腎臓から分泌される活性型ビタミンDの分泌が少なくなります。活性型ビタミンDは、Caを吸収するのを助ける働きがあります。よって、活性型ビタミンDの分泌が少なくなり、血液中のCa濃度が低下します。

高P血症

Pは、腎臓から排出されるので、慢性腎不全になると腎からPの排出ができなくなり血液中のPの濃度が上昇します。

診断

血液検査では、ALP(アルカリ・ホスファターゼ)を参考にします。ALPは、骨芽細胞に多く含まれ、骨形成時に血中濃度が上がります。ALPが上昇して骨形成が盛んになっているということは、PTHにより骨がたくさん壊されているともいえます。

ALPの基準値は110~360IU/L程度で、これが上昇してくると二次性副甲状腺機能亢進症の疑いがあります。

二次性副甲状腺機能亢進症の予防法

予防法

血中P、Ca濃度を目標値にする

二次性副甲状腺機能の予防の最優先事項は、血清Pと血清Ca濃度を基準値内に管理することです。これが、守れた場合に限り、PTH 濃度を適切に調節することと、透析医学会で推奨されています。

血清P濃度の目標値:3.5~6.0mg/dL
血清Ca濃度の目標値:8.4~10.0mg/dL
血清PTHの目標値:60~180pg/mL
ただし、低アルブミン血症(4g/dL 未満)の場合は、測定Caの値を、補正する必要があります。

Caの補正方法

Payneの式:補正Ca(mg/dL)=実測Ca+(4-Alb)

補正式を使う理由ですが、血液中のCaの約40%は、アルブミンと結合しています。そして50%が、Caイオンとして単体で血液中に存在します。これらの、Caのうち生理的に作用するのは、単体のCaイオンだけです。

よって、アルブミンが少ない人は、体に影響を与えるCaイオンの比率が高くなるため、実測Caの値を少し上げる必要があるのです。

二次性副甲状腺機能亢進症を予防するための治療薬

活性型ビタミンD製剤

商品名としてはロカルトロール、オキサロールなどがあります。活性型ビタミンDは、Caを吸収するのを助けて、血液中のCa濃度を上げる働きがあります。

P吸着剤

P吸着剤は、腸の中でPと結合して、体内にPが吸収されるのを防ぎます。各メーカーからいろいろ出ています。こちらでまとめています→透析に使われるリン吸着剤のまとめ

シナカルセト塩酸塩(商品名:レグパラ)

レグパラは副甲状腺Ca受容体部位に結合し、直接PTHの分泌を抑制します。

手術

薬を使っても、PTHをコントロールできない場合は、副甲状腺摘除術(PTX)を行います。
PTXは、副甲状腺を全部とって、一部を腕の筋肉に移植する方法です。

まとめ

二次性副甲状腺機能亢進症の予防は、各医薬品メーカから有効な薬がさまざま販売されたことから、比較的予防しやすくなっています。看護師、臨床工学技士がしっかりと患者さんの状態を把握して、異常がある場合は素早く医師に報告して、患者さんの異常の見落としをなくすことが大切だと思います。

二次性副甲状腺機能亢進症の治療方法について、もっと詳しく知りたい方は、透析医学会のホームページに『透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン』が公開されているので是非参照してください。


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3 件のコメント

  • TAKA様
    38年間勤務した国立病院を退職し、4月から
    透析病院に勤務している放射線技師です。 
    今まで殆ど縁のなかった透析・・不明点が多く俄か勉強を始めたところ、TAKA様のブログを拝読するようになりました。
    門外漢にも分かり易く楽しい内容、とても勉強になります。
    次のブログを楽しみにしてます。
                            内藤

  • はじめまして。
    私は透析患者で、いつも勉強させていただいてます。
    疑問があるのですが、いつもCaとPは基準値内なのに、iPTHが350とか高値です。
    これはどう解釈するものなんでしょうか?
    医師に聞いても、様子をみましょう、しか言われないので困ってます(笑)

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