透析での血液再循環の原因と対策について

血液の再循環とは?

透析での手技のミスにより起こるトラブルの一つに、血液の再循環が上げられます。血液の再循環とは、ダイアライザーで浄化された血液が静脈側に返血された後、すぐに動脈回路側に一部が導かれてしまうという状態です。

再循環画像

再循環するとどうなるか

再循環する血液の量の割合によっても、症状がことなります。

はじめに、私が経験した再循環の症例を紹介します。

透析開始から2時間経過したくらいに、静脈圧上昇の警報が発生しました。針先を調整しようと確認したら、逆に接続していることに気づきました。すぐにつなぎなおしたのですが、既にチャンバーなどが固まってきており、静脈圧が下がらず返血することになりました。

再循環により、同じ血液が除水されて、ヘマトが著しく上昇したため凝固しやすくなったのでしょう。回路が濃縮するほど再循環していたとすれば、透析効率もかなり低下していたと考えられます。

このように、透析で再循環を起こすと『透析効率の低下』『血液の凝固』が起こります。血液の濃縮もさらにひどくなれば溶血を起こす恐れもあります。

どういうときに再循環が起こるか

再循環を防ぐには、どういうときに再循環が起こるかを知っておく必要があります。
再循環がお起こるのは、人為的なミスと患者のシャント自体に問題がある場合があります。それぞれのパターンを順番に紹介します。

人為的ミス

穿刺部位が近い

A、Vの穿刺部位が近いと、再循環する可能性が上がります。これは、感覚的になんとなくわかるんじゃないかと思います。ちなみに、同一血管に2本差す場合は、脱血側と返血側は、最低5cm以上離して、脱血側の針を逆刺し(末梢に向かって刺す)すれば、針を挿入後の脱血側と返血側の針先は10cm以上離れるので、大丈夫ではないかと思います。

透析ケアマニュアルにおいても『穿刺部位が限られている場合、動脈側と静脈側の穿刺部位は部分的再循環防止のため5cmほど離すのが望ましい。』と記載されいます。返血側を末梢の静脈など、別血管に穿刺すれば、心配ないのですが。

AとVを逆につないだ

これ、ちょくちょく見かけます。

穿刺後に、回路を接続するときにAとVを逆につないでしまったというやつです。

新人以外でも3,4年目のちょっと落ち着いてきたかなーと思っている技士でも、やらかしたのを見つけたことがあります。これをやらかしてしまったら、医療ミスですので責任問題です。

通常の内シャントでは、それほどミスらないんですが、グラフトの穿刺では頻度が多いんです。だいたいみんな、『上が青、下が赤』って体に染みついてしまっています。

例えば、グラフト血管に下の図のように穿刺した場合は、AとVをどう接続すればいいか分かるでしょうか?

キャプチャ

どうでしょうか?めちゃくちゃ簡単ですね。