透析での水処理装置の仕組みについて紹介します

血液透析で透析液作製に使用する原水は水道水や地下水が使用されています。ただし、水道水中には、余分なイオンが含まれるため、水処理装置で処理をして透析用水が造られれます。今回は、水道水を水処理装置でどのように処理をしているか紹介します。

水処理装置について

水処理装置

1次フィルタ

水道水は、まず1次フィルタに通されます。1次フィルタは、10~30μの穴が複数開いており、その穴より大きな物質を除去します。原水中の濁物質や不溶性物質等の荒い物質を除去するフィルタです。

軟水装置

軟水装置は、名前の通り硬水軟水に変える装置です。硬水とは、Ca(カルシウムイオン)やMg(マグネシウムイオン)の多く含まれている水のことを言います。

原水中に、CaやNaが多いと、塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの沈殿ができて、逆浸透装置の性能を低下させてしまいます。その為、逆浸透装置の手前でCa、Mgを取り除きます。

軟水装置は、強酸性イオン交換樹脂(スチレン・ジビニルベンゼン共重合体)にて、原水中のCa・Mgイオンを、Naイオンと交換します。また、交換すると強酸性イオン交換樹脂のNaイオンが減ってどんどん性能が低下します。その為、2日に1度程度、強酸性イオン交換樹脂では、10%NaClを流して、Naイオンの補給をしています。透析液を造る部屋に、たくさんの塩が入ったタンクがあると思いますが、軟水装置の再生の為に使用されているんですね。

活性炭濾過装置

活性炭濾過装置では、残留塩素、クロラミン(NH2Cl)、有機物を吸着します。水処理装置の中で、塩素を除去できるのは活性炭濾過装置だけです。

2次フィルタ

2次フィルタは、1次フィルタと同様のものが使用されます。これは、軟水装置や活性炭濾過装置から出る微粒子を除去して、逆浸透装置の負担を減らす為に設置されています。

逆浸透装置(RO装置)

逆浸透装置は、塩素以外の物質をほぼ除去します。RO膜素材は、セルロース系膜、芳香族ポリアミド系膜、合成複合膜が使用されます。

限外濾過フィルタ

水処理装置の一番最後に設置されているフィルタで、エンドトキシンカットフィルタとも呼ばれます。エンドトキシンや細菌を除去します。

まとめ

透析液に使う水は、上記のようにさまざまな処理を経て造られています。各、フィルターは、定期的に交換されますが、長年使用していると定期交換部品以外も老朽化します。パイプのつなぎ目から水漏れしたり、電気系統が故障したりなどです。

RO水は、透析の一番の基になる為、この装置が故障したら透析ができなくなります。異常を早期に発見できるように、日頃から、日常点検、定期点検をしっかり行うことが大切です。

私の施設では、日常点検として、水処理装置の各フィルタの入口圧の確認、水漏れの確認を毎朝行っています。

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