ロボトミー手術とは?医療の雑学を紹介します。

手術

ロボトミー手術とは

ロボトミー手術という言葉を聞いたことあるでしょうか?医師や看護師はだいたい聞いたことあると思います。

ロボトミー手術とは、うつ病、不安神経症、統合失調症などの精神病疾患に対する外科治療法です。具体的には、ルーコートムというアイスピック状の器具を使って、前頭葉と視床を繋ぐ神経線維を外科的に切除する治療方法です。

ロボトミー(articleimage.nicoblomaga.jpより)

この治療方法が誕生した背景は、神経学者ジョン・フルトンによるチンパンジーを使った研究によります。

フルトンは、チンパンジーの前頭葉の眼窩前頭皮質という、感情をコントロールする部分を切除すると、かんしゃくを起こしたりなど、攻撃的な正確になることを発見しました。そして、さらに前頭葉を全て切除すると、かんしゃくがおさまり、落ち着いておとなしい性格になることを発見しました。

フルトンの研究を聞いた、ポルトガルの医師、アントニオ・エガス・モニスは、精神障害は、前頭葉と視床を繋ぐシナプスの詰まりが原因であると仮説を立てました。そしてフルトンは、詰まったシナプスを切除すれば精神障害が治ると考えました。

モニスはとうとう人間に対してこの治療を実施しました。

治療後に、患者は精神病の症状は治まりましたが、他の障害が発生しました。前頭葉は、思考・想像力など高度な働きをする領域と言われています。その領域が遮断されることにより、「想像力がなくなる、意欲がなくなる、個性がなくなる」などの副作用が現れました。

ただ、表面上は気分が安定して、他人に害を与えなくなり安定するように見えます。アメリカを中心に多くの国でこの治療が行われ、さらにモニスは、ロボトミー手術によりノーベル医学賞まで受賞しました。

しかし、後にクロルプロマジンという、神経伝達物質のドーパミンを抑える薬が開発されると、わざわざ高価で、後遺症が残る治療をする必要はないということで、ロボトミー手術は行われなくなりました。手術自体も人道的によろしくないと言われるようになります。

ロボトミー手術を、受けた多くの患者は後遺症に苦しみました。モニスはロボトミー手術を受けた患者から、恨みを買い銃撃までされています。

 

ロボトミーの意味は?

ロボトミーというのは、手術により、「個性・想像力がなくなりロボットみたいになる」という意味ではありません。

ロボトミー(lobo)はイタリア語で「葉」という意味です。前頭葉、肺の上葉・中葉・下葉など、臓器の塊をいうときに葉という言葉が使われます。loboは英語では、オオカミという意味なので英語ではありませんね。

また、トミー(tomy)は、英語で切断、切除を意味する言葉だそうです。医療従事者なら、雑学として知っておいたほうがいい知識だと思います。

 

(参考文献)
http://logmi.jp/107575