医療機器のメーカー統一のメリットとデメリット

公開日: : ME機器管理

はじめに

病院内には、人工呼吸器、透析監視装置などの生命維持管理装置をはじめ、輸液ポンプ、吸入器などたくさんの医療機器が使用されています。これらの、装置は種類ごとにメーカーや機種などは統一されているでしょうか?

例えば、透析室で使用している透析監視装置(コンソール)のメーカーは、全て同じでしょうか?

多くの施設では、日機装・JMS・東レ・ニプロなど複数の機種が混在している施設が多いように感じます。医療機器を管理する上では、機種が少ないほうが管理しやすくなりますが、各メーカー独自の機能に惹かれて、いろいろなメーカーが混在してしまう場合があります。

今回は、医療機器のメーカーを統一する場合と分散させるメリットとデメリットについて紹介します。

メーカー統一のメリット

メーカーを統一させるとは、ある用途の装置を院内で全て、同じメーカーで統一することです。メーカーを統一させるメリットは以下の項目が挙げられます。

・機器の操作を覚えやすい

透析装置においてもメーカーや機種により操作方法が異なります。統一されていると、覚えることも少なく、混同してミスを起すリスクが下がります。

・修理やメンテナンス部品の在庫を少なく出来る

医療機器の突然の故障を考慮して、一定の部品を確保していると思います。在庫をもっておいても、使わないことがあったり、ゴム部品であれば時間経過すると劣化してしまいます。このようなコストを少なくすることが出来ます。

・メンテナンスの習得が短期間で出来る

透析装置のメンテナンスは、メーカー指定の講習会に参加する必要があります。メーカーが少ないと、参加する講習会の数がすくなく費用や時間を抑えることが出来ます。

・大量に購入することにより値引きしてもらえる

このように、安全面やコストを抑える面では、機種を統一させることは有効です。ちなみに航空機のパイロットも、飛行機のメーカーや機種により操作方法が異なるため、1つのメーカーのさらに同じ機種の飛行機しか運転させないそうです。

メーカー統一のデメリット

実は、メーカーを統一するとデメリットもあります。以下の項目が挙げられます。

・購入する機器が制限される

他のメーカーから最新の機能がある装置が発売されても、メーカーが異なると購入できなくなってしまいます。

・メーカーの装置に不良が合った場合の対応が大変

自動車業界でも、欠陥が見つかり、販売後に部品交換が必要になるリコールがたびたび報告されます。医療機器においても初期不良・リコールなど起こる場合があります。

メーカーや機種を統一していると、リコールが合った場合、一度に全台の装置を修理する必要が出てきて、時間がかかります。

医療機器ではありませんが、先日、川本産業の製造しているガーゼに滅菌の不備があり、全て回収する出来事がありました。もし、院内のガーゼや医療材料が全てが川本産業から仕入れている場合、全て交換する必要が出て、対応しきれないかもしれません。

このようなことを、避けるため、メーカーや機種を分けても支障が少ない材料や装置については、メーカーを分けることがあります。

・他社と比較させて値引き交渉が出来ない

自動車を購入する場合、他の会社の自動車と比較して値引き交渉すると思います。医療機器においても、複数社から見積もりをとって値引き交渉をします。機種が1つしかなければ、比較できなくなります。

・知識量・経験が少なくなる

装置をメンテナンスする上では、メーカーが少ないと覚えることも少なく楽ですが、その分、知識量が少なくなります。一生同じ施設で働くのならいいですが、他の病院や仕事に転職する場合は、たくさんの機種や装置に触れていたほうが経験になります。

まとめ

基本的に安全や経営のことを考えると院内の医療機器のメーカーや機種は出来るだけ少なくするほうが望ましいように思います。とくにどこのメーカーでも殆ど機能が同じような、ベッドサイドモニタ・血圧計・輸液ポンプなどは統一することが望ましいように思います。

リーコールが合った場合、対応が困難になるような医療機器については、メーカーを分散させてリスクを減らすこともあります。例えばペースメーカーなどは、もしリコールになったら対応が困難となるため、メーカーを分散させています。

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