穿刺練習用血管器具『透析SASUMO』を使ってみたので紹介します。

透析SASUMO箱

穿刺の苦労

透析業務において、スタッフがもっともストレスのかかるのは穿刺だそうです。確かに、血管が細くて難しい患者や、気むずかしい患者、すぐに怒鳴る患者の穿刺は、非常に気を使います。

これらのストレスを軽減するには、穿刺の技術を磨き、失敗をしなくなること、自信をつけること。そのためには、たくさんの穿刺をこなして経験を積むことが大切です。

しかし、日常業務では一日に穿刺ができる回数には限りがあります。そこで、新人スタッフは、穿刺練習用の血管の器具を使って練習したりします。ただ、従来の練習用の血管はお世辞にも人の血管とは手触りも感触もかけ離れており、それを使って繰り返し練習することによりシャント穿刺の技術が上達するというものではありませんでした。

そんななか、去年頃よりメディカ出版より「透析SASUMO」という透析患者のシャント血管を模擬したシャント穿刺練習用の器具が発売されました。様々なアンケートや口コミで『本当のシャント血管を刺した感触と似ている。触った感触が透析患者の皮膚の感じに似ている。』との意見を聞きました。

これは、試してみなければいけないということで早速入手しましたので、その使い心地を独断と偏見で紹介したいと思います。

ちなみに私の透析での穿刺経験は約7年程度です。穿刺のセンスはなく、新人のうちは苦労しましたが、経験を積むことにより人並みには刺せるようになりました。

透析SASUMO(エキスパート)のレビュー

外観の紹介

今回、入手したのはメディカ出版の透析SASUMO エキスパートです。エキスパート版では、ストレートの血管、狭窄のある血管、湾曲の血管の3つのセットになります。他に、ノーマル版などもあります。購入に関して詳しくは、メディカ出版の公式HPをご参照ください。

まず、注文して受け取った箱を開けると小さな白い箱が出てきました。思ったより小さな入れ物です。
透析SASUMO箱
早速中身を取り出してみました。
SASUMO中身

箱の中には、使用説明書、ストレート、狭窄、カーブの3種類の透析ASUMO入っています。

まず見た目ですが、ちゃんと皮膚の色をしています。サイズは、思ったよりコンパクトです。
SASUMO3つ

触り心地

表面を触れてみたところ、非常に人肌に近い感触です。人肌のように程良く水気も含んでいるけど、健常者よりは乾燥している透析患者さんの皮膚の特徴に似ています。
SASUMO触診

説明書には、『福井の羽二重餅素材と越前和紙を材料として、透析患者さんに近い皮膚を開発した。』と記載されています。個人的にも透析患者の皮膚の感触に非常に近いと思います。

指で、ぎゅーと押してみると、程良い弾力があります。目視では、血管がほとんど見えないので、しっかり触診しないと血管の位置がわかりにくいです。したがって、触診でしっかり血管の走行を確認するのによい練習になります。

特に、狭窄の血管はどこが狭窄しているのか、触診での感覚を養う練習にもってこいだと思います。

刺入感

そして、一番気になるのが実際に針を刺したときの挿入感(感覚)だと思います。

説明書には、『実際の血管のような挿入感 表皮を貫き、皮下で針を進める感覚、血管を挿入するわずかな抵抗感など、すべてが透析患者さんの腕そのものです。』と記載されています。

記載を読む限り非常に期待できます。

今回は、透析用の17Gクランプ針で刺してみました。
SASUMO穿刺

刺した感想は、実際の血管を刺すときに感じる、表皮、皮下、血管を刺したときに感じる抵抗の変化をしっかりと感じることができました。

透析患者の内シャンとは、比較的血管壁が厚くて堅いので針が血管に入った感覚がわかりやすいのが特徴です。

この感覚は、患者さんの血管により異なるので一概に似ている似ていないとは言えませんが、『こういう血管の患者さんいるな。』と感じました。また、刺したときの挿入感が比較的わかりやすいので、穿刺初心者が練習するには、刺したときの感覚をつかむいい練習になると思います。
SASUMO逆血
上の写真のように、逆血まで再現されるのには驚きました。うまく穿刺されると、逆血もあります。ただ、これは3回程さすと血管内の内圧が下がるので返ってこなくなるようです。そうなった場合は、針を刺した後に、血管を圧迫して圧をかけると逆血が確認できるそうです。

最後に

穿刺を上達するには、たくさん刺すことも大切ですが、『触診でしっかり血管の位置をつかんで、太さと深さをイメージする。針を挿入したときの感覚をしっかり感じ取る。正しいフォームで穿刺する。失敗した原因をよく考えて改善する』これらを常に意識して穿刺することが大切です。同じ回数の穿刺をしても、よく考えながら穿刺をしている人と、漠然とさしている人では、一回一回の穿刺で得られる経験値に差がでます。

透析SASUMOでは、繰り返し穿刺の練習ができるので実際に穿刺するのと同様に、穿刺の経験値を得ることができます。

透析業務でこれから穿刺をはじめるという初心者から、だいたいの血管は刺せるようになったけど苦手な血管があるというような中級者まで、幅広く活用できると思います。

ただ、上級者では、簡単すぎるので今後もっと細い血管などが発売されればいいなと感じました。

透析SASUMOは、1セットからも購入が可能ですので、『早く穿刺を上達したい、日々の穿刺が不安だ』と感じている方は、是非購入して練習してみてはどうでしょうか。

透析SASUMO販売ページはこちら

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