透析導入前の『シャント手術の流れ』について紹介します。

シャント手術
シャント手術

シャント手術の流れを紹介

慢性腎臓病が進行してきて、透析導入が目前になるとシャント手術をする必要があります。透析では、血管からたくさんの血液を取り出す必要があります。そこで、穿刺しやすい静脈に動脈血管をつなげることにより、静脈血管の血流量を増やすことができます。

今回は、シャント手術を行う前からシャント手術が終わるまでの、一連のながれについて紹介します。

 

シャント手術の時期は?

内シャント手術後は、手術部位が腫れたりむくんだりして、直ちに使用することができません。また、内シャントを作成した直後は、吻合した静脈が未発達のため、血流量が少なかったり、血管が細かったりして、穿刺が難しい場合もあります。

その為、内シャントに穿刺して透析を行えるようになるまでには、シャント手術後、最低でも2週間ほどは必要です。

特に、もともとの静脈が細い患者の場合は、早めに内シャントを作成していないと、内シャントがなかなか発達しないので穿刺が難しいです。その患者の血管の状態によっては、早めにシャント手術を行ったほうが良い場合もあります。

ちなみに、一般的にシャント作成の時期は以下の条件により判断されるそうです。

シャント作成の目安

・血清クレアチニン値が8mg/dl以上
・血中尿素窒素が80mgdl以上
・血清カリウム値の上昇
・貧血症状の進行、出血傾向
・消化器症状の出現(食欲不振)
・浮腫の程度
・患者の生活背景
<透析ケアマニュアルP24より引用>

このような、将来的に内シャントの作成が近い患者の場合は、シャントの作成個所の静脈をなるべく、採血や静脈注射を避けて血管の保護をしておく必要があります。

内シャント作成に使う静脈が傷んでしまうと、内シャント作成が難しくなるからです。基本的には、利き腕の反対方向の、できるだけ末梢側に内シャントを作ります。したがって、内シャントに使いそうな血管の穿刺は避けましょう。

 

シャント手術の流れは?

基本的に、内シャント手術は局所麻酔で行う為、患者さんの意識があるまま施行されます。手術中は、麻酔が聞いているためそれほど痛くないそうです。シャント手術より、シャントPTAの方がぜんぜん痛いそうです。シャント手術の時間は、術式や患者の血管の状態にもよりますが、およそ1~2時間程度で終わります。

手術が終わると、シャントを作成した腕を曲げないために、シーネで固定します。腕を曲げることで血流が悪くなることを防ぐためです。

特にシャント作成直後から2~3時間は、スパスム(血管の痙縮)により血栓ができて詰まってしまう可能性が高くなります。したがって、シャント手術後3時間は、15分~30分間隔で定期的にシャント音を聴診器で確認して、内シャントに血液が流れていることを確認します。

シャント音以外にも、手術個所から出血がないことや、しびれや痛みがないこと、スティール症候群などがないかなどに注意します。手術後2~3時間観察して問題が内容でしたら、入院など行わずに帰宅することができます。

 

シャント作成後から透析までは?

内シャントを作成したら、日常生活での注意点について指導をうけると思います。

・シャント側の腕に時計を付けない。
・腕枕をしない。
・シャント肢側で血圧を測らない。
・シャント肢をぶつけるような運動をしない。
・定期的に聴診器で音を確認する。
などなど、ほかにもたくさんあります。

また、内シャントを太く発達させるために、シャント肢側でスポンジを握ったりする運動をする必要があります。透析までに十分に内シャントが発達していれば、穿刺ミスのリスクも減らすことができるし、十分な血流を確保した良い透析が行えます。

参考文献
血液浄化療法ハンドブック 2016

最新透析ケア・マニュアル―基本の技術と事故・トラブルを未然に防ぐ知識 (クリニカル・ナースBOOK)

以上

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