臨床工学技士を目指している高校生、ぬるま湯に浸かっている技士に一言。

臨床工学技士を目指そうと考えている高校生は要注意

先日、書店をうろついていると臨床工学技士関連の本(『臨床工学技士の一日 (医療・福祉の仕事見る知るシリーズ)』)を見つけました。いわゆる『○○になるには』という仕事を紹介する本。4,5分くらいパラパラめくって読んでみましたが、本気で臨床工学技士を目指そうとしている高校生であればこの本だけで判断して臨床工学技士を目指すのには情報量が足りないと思います。その理由について以下説明。

書籍の目次は以下の通りです。これだけしかHPに公開されていませんでしたが、実際にはもっと内容があったと思います。

臨床工学技士の一日目次保育者のHPより引用)

ちなみに、臨床工学技士が、書いた本ではなく、出版社の編集者が数人の臨床工学技士にインタビューをした内容を参考に書き上げた本のようです。透析室、オペ室など臨床工学技士の仕事内容を紹介しているページは、特に問題ないと思います。臨床工学技士の仕事内容を把握するには、カラーの写真付きで理解しやすいと思います。ただ、問題と思った内容は、『臨床工学技士の問題点』『10年後の臨床工学技士について』という項目について・・

臨床工学技士の問題点については、医療機器を管理する技士の数が不足しているのが問題である。とながながと説明されているだけ。10年ごとの臨床工学技士についても、ポジティブなことしか書いていませんでした。内容が軽すぎる・・

たぶん、ネガティブなことを書くと、立ち読みした高校生が、『技士を目指すのを辞めよう。』と萎えて、本を買わなくなるから。大人の事情によりポジティブな意見ばかりしか書けなかったのだと思います。

臨床工学技士が足りていない総合病院がいくつかあるのも事実です。その理由は、『臨床工学技士の人数が少ないから足りないのでなく、臨床工学技士を採用しても病院の収益に反映しない、技士が病院で認められていないからなかなか求人を出してくれない。』

臨床工学技士自体は、需要と供給は保たれています。むしろ余ってきています。

このような『○○になるには?』みたいな仕事を紹介する本は、買う人を萎えさせないために本当に大切な真実が隠されていたりするので、注意しなければなりません。小中学生が読む分には問題ないと思いますが、高校生がこの本だけで臨床工学技士学科の受験を決めるのはどうかと思います。

その付近に置いてあった、『医療業界大研究』という本のほうがまともなことが書いていました。

医療機関はサバイバル競争の時代へ、など医療業界の核心をついています。

医療機関はサバイバル競争の時代

(「医療業界大研究」より転載)

医療職を目指す学生さんは、出版社の本に騙されないように、臨床工学技士連盟の会長さんのブログや、連盟新聞、日臨工の総会などに参加して情報収集して決めるべきです。

臨床工学技士連盟新聞

廉(れん)

臨床工学技士のひとりごと

個人的には、将来的には臨床工学技士は勝ち組と負け組に分かれると思います。必要とされる病院(診療科)では必要とされるし、不要になる病院では不要になります。時代の流れとともに、求められることが変わってくるのでこれから就職をしていく人には生き残れる病院を選択していくべきだし、生き残る為の知識と技術を持たなければなりません。先を考えて、学士を取ったり大学院に進学する技士もいます。(参照:臨床工学技士の業務内容について(てへぺろさんより寄投))

そして、臨床工学技士の場合は、新卒時の就職がもっとも病院を選択しやすい、採用されやすい(場合が多い)のでよくよく考えて決めるべきです。転職についても、特に実績がない人は30代後半になるとかなり難しくなってきます。

沈んでいく船に乗っている人は、さっさと飛び降りたほうがいい場合もあります。ジョブスルーなどに登録して、求人を探していみると公的な総合病院の求人を紹介してもらえたりすることもあります。時代の流れに沿って仕事内容を変えられる職場として総合病院はやはり強いと思います。

これから人並み以上に稼いで、資本主義を生き抜く為には、『経済・お金の勉強をする、学会・講演会に参加する、数年・数十年先を予測して行動する、生き残れる病院に就職する、個人で稼げる力を身に着ける、本をとにかく読みまくる』そういうことが重要になってきます。