透析患者の医療費補助と社会サービスについて

社会保障

透析患者1人にかかる透析医療費は、年間500万円程になります。健康保険で3割負担となった場合でも、莫大な金額になります。

その為、透析患者さんは医療費助成制度を使って、自己負担額をほぼ無料にすることができます。今回は、透析患者さんが利用できる医療費補助制度について簡単に紹介します。

透析の医療費補助制度

長期高額疾病の高額療養費制度(マル長)

高額療養費制度は、一生にわたり高額な治療を受けなければならない疾患に対して認められ、医療費の自己負担額が1万円となります。以下の3疾患が認められています。

  1. 人工透析を実施している慢性腎不全患者
  2. 血漿分画剤の投与が必要な、先天性血液凝固第Ⅷ因子障害または第IX因子障害(血友病
  3. 抗ウイルス剤投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染者など)

自立支援医療(更生医療、育成医療)

自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。(厚生労働省HPより)

統合失調症などの精神疾患、身体障害者手帳の交付を受けて手術や治療により確実に効果が期待できる者が対象となります。世帯の所得額に応じて、医療費の負担額が決まります。(0~対象外:詳細

重度障害者に対する自治体の助成制度

自治体により、重度の障害者(身体障害者1級,2級)を対象に、高額療養費制度、自立支援医療を利用しても生じる自己負担額を助成してもらえる制度があります。自治体により、助成内容が異なりますが透析医療費は無料になることが多いです。

 

身体障害手帳

慢性腎臓病患者は腎機能障害を対象に、身体障害者として認定を受けることができます。腎機能障害は、血清クレアチニン値濃度等により以下の3段階に分類されます。

障害者等級 Cr濃度
1級 8mg/dl以上
3級 5~8㎎/dl
4級 3~5mg/dl未満

ほとんどの透析患者は、1級に認定されますが血清Cr濃度が8㎎/dl以下で導入した場合、3級や4級で認定されることもあるようです。

身体障害者手帳1級では以下の割引やサービスを利用することができます。

  • 交通機関運賃の減免(鉄道、バス、新幹線、高速道路利用料、タクシー、飛行機)
  • 公共料金の割引(博物館、動物園、NHK受信料など)
  • 携帯電話料金、温泉などの割引
  • 所得税、住民税、相続税、自動車税などの控除・減免(詳細:国税庁(障害者と税)
  • 福祉サービス(補助具、リフォーム費用の助成)
  • 医療費の助成(更生医療など)
  • 障碍者雇用枠での求人の応募

公共機関以外にも、温泉・テーマパーク・携帯電話など私営の施設でも障害者手帳による割引を実施しています。

まとめ

現在の日本では、社会保障によりほぼ無料で透析医療をうけることができます。ただ、透析をしている場合、体調不良や時間の拘束により仕事の選択肢が狭くなり経済的に不利になることが多いです。その為、経済的負担を少しでも軽減するために身体障害者手帳、障害年金などがあります。