透析患者の社会保障制度について

透析患者の自立や社会進出を援助する為に様々な社会保障制度があります。それらのサービスは、たくさんあり複雑ですが、有効に利用して生活に役立てることでQOLの向上に役立ちます。

今回は、透析患者が使える社会保障制度について簡単に紹介します。ただ、これらのサービスは自治体により異なる場合がある為、詳細については、各自治体の担当者に問い合わせて確認する必要があります。

・高額長期疾病の特例

外来での血液透析(HD)の医療費は、月額40万円程度、腹膜透析(PD)では50万円程度の医療費がかかります。

これらを、全額自己負担で支払うのは困難です。その為、高額長期疾病の特例という制度が設けられており、「特定疾病療養受療証」交付の手続きをすると、月額の自己負担限度額が1万円となります。

高額長期疾病は、人工透析をしている慢性腎不全患者、血友病の患者、HIV感染症の患者が該当します。ただし、70歳未満で年収が770万円以上の方は、自己負担上限度額が2万円となります。

これらの手続きは、各健康保険事務所にて行います。

・身体障害者手帳

透析患者は、身体障害者手帳を交付してもらうことができます。身体障害者手帳は、障害の程度により、1級~6級に分けられます。透析患者の場合は、1級に該当します。手続きは、各市町村役場の障害福祉担当科で行います。

ちなみに慢性腎臓病での等級は以下の3つに分けられます。

1級 じん臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
3級 じん臓の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
4級 じん臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

身体障害者手帳により受けらレスサービスは、市町村により多少異なりますが以下のような様々な優遇を受けることができます。

・JRの普通料金の割引
・私鉄の割引
・高速バスの割引
・国内航空運賃の割引
・運転免許取得費用の補助
・駐車禁止区域の注射許可証の交付
・自動車取得税・自動車税の減免
・有料道路の通行料の半額
・所得税・住民税の割引など
・映画館の利用が半額

・重度障害者医療費助成制度

身体障害者手帳の1、2級に該当する場合、健康保険証と重度障害者医療証を提示することで、自己負担なしで診療を受けられる制度です。

・障害年金

国民年金に加入している間に、病気や怪我で、法令に定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態のある間は障害基礎年金が支給されます。
平成27年では、年間の支給額が1級で975000円、2級で780100円となっています。

厚生年金に加入している間に、障害等級表(1級・2級)による障害の状態になった場合は、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。

障害年金の等級

1級 他人の介助をうけなければほとんど自分の用を足さない程度のもの。
2級 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもの。
3級 労働に著しい制限をうけるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

透析患者の障害年金の等級は、2級になることが多いようです。

・介護保険

介護保険は、65歳以上または、40歳以上64歳未満の国が定める特定疾病に該当する健康保険加入者が申請することができます。

国が定める特定疾病は、「糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症、閉塞性動脈硬化症、認知症、慢性関節リウマチ」など16疾患が指定されています。

介護保険を申請して、審査を受け要支援1~要介護5までの判定をしてもらいます。判定により、介護サービスで利用できるサービスの量(支給限度額)が異なります。

要支援1 50,030
要支援2 104,730
要介護1 166,920
要介護2 196,160
要介護3 269,310
要介護4 308,060
要介護5 360,650

限度額のサービスを受けた場合は、自己負担額が1割負担になります。限度額を超えた場合は全額負担となります。