血液透析中の下肢痙攣の原因と対処法

下肢

血液透析中の筋痙攣(こむら返り)

はじめに

透析中の患者を悩ませるものの一つに筋痙攣(こむら返り)があります。健常者でも、就寝中や筋肉疲労時に経験することがあります。血液透析患者では、透析後半に腓腹筋(ふくらはぎ)にこむら返りが発生することが多いです。

今回は、血液透析中の筋痙攣(こむら返り)の「原因、対処、予防」について紹介します。

原因

疾患

筋痙攣は以下の疾患を持った患者の場合発生しやすくなります。

・脱水
・ビタミン欠乏
・妊娠
・肝硬変
・糖尿病
・ヘルニア
・筋委縮性側索硬化症
・多発性ニューロパチー
・甲状腺機能低下症
・薬物の副作用(β-遮断剤、β-刺激剤、H2受容体拮抗剤、リチウム製剤、クロフィブレート製剤)
<クリニカルエンジニアリング2002.10より引用>

上記の疾患を持った患者では、筋痙攣を起こしやすいようです。筋痙攣を頻繁に起こす患者の場合、上記の疾患を持っていないか注意が必要です。

また、透析中に筋痙攣が発生する原因としては、除水による筋肉での循環不良、筋繊維の酸素欠乏Na,Caの低下、L-カルニチンの低下などが原因として考えられています。

筋痙攣の機序

筋痙攣は、具体的には

”支配する筋繊維より構成される運動単位の興奮性が異常に亢進した状態を背景として生ずる反復性の筋収縮”

とあります。

対処

筋痙攣時の対処方法の一例について紹介します。

①除水停止、血圧測定
②患部を温める。筋肉を伸ばしてやる。
③Dr指示にて、生食の急速静注、芍薬甘草湯の内服

初めに、除水を止めて血圧低下による循環低下が起こっていないか確認します。その後、筋痙攣に対する処置を行います。

予防

血液透析中の筋痙攣は、除水量の多い患者に多く頻発します。また、筋痙攣時に血圧を測定すると血圧が低下していることが多くあります。したがって、透析中の筋痙攣は、過度な除水により循環血液量が低下することにより、筋肉への血液の循環が悪くなり発生すると考えられます。

したがって、透析中の筋痙攣を予防するには、除水をかけ過ぎない。その為にも透析患者は透析間の体重増加量を増やしすぎない。除水量が少ないのに、筋痙攣を繰り返す患者の場合は、DWがを下げすぎている可能性があるのでDWを再検討する。

上記のように、透析中に血圧を下げないような対処が筋痙攣の予防に有効であると考えられます。

まとめ

透析中の筋痙攣は、頻繁に見られ、糖尿病の患者に多く発生するように感じます。そして、下肢の筋肉だけでなく、胸や腹部の筋肉が痙攣することもあります。

筋痙攣が激しくなると透析の継続が困難となり、途中で透析を終わらなければならなくなる場合もあります。

私たちスタッフは、筋痙攣をできるだけ予防できるように指導して、もし筋痙攣を起こした場合も適切に対処する知識を身につけておく必要があります。

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