血圧低下時の下肢挙上の迷信について!?透析中にすると良くないかも・・・

看護師悩む

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血液透析の後半になると、血圧が低下した患者さんのベッドの足側を上げて、下肢挙上する光景が良く見られます。

『足を高くして、頭を低くすることで脳の血流を保持できる』
『足を上げると、末梢の血液が心臓に帰りやすくなり血圧が上がる』

などと教えられてきましたが、実際にどうなのでしょうか?

透析中の下肢挙上による効果を検証した論文(透析中の下肢挙上による生体反応の検討)や学会での発表を調べてみました。多くの資料には、あまり効果がない。というのがほとんどでした。

今回は、『下肢挙上をするとどうなるのか』につてい簡単にまとめました。

下肢挙上の効果

血圧・心拍数

さまざまな論文を読みましたが、下肢挙上による血圧・心拍数の変化はないようです。(透析中の下肢挙上による生体反応の検討参照)これだけで、下肢挙上することに対して疑問がわいてきます。

下大静脈径(IVC)

下大静脈とは、心臓(心房)に血液が戻る直前の太い静脈のことです。下肢を挙上すると、下大静脈径は、約1.5倍拡張したそうです。下肢の末梢の静脈血が重力により、心臓に戻りやすくなることにより、心臓にもどってくる血液は増加していると考えられます。

下肢の血流

パルスオキシメータにより足趾SpO2を確認すると、下肢の挙上前と比較すると、下肢の挙上後のSpO2は、有意に低下しています。平均で3%低下しており、下肢挙上によるネガティブな効果です。

また、下肢の閉塞性動脈疾患や、糖尿病などにより足の血流が悪い患者では、SpO2の低下率が特に大きい結果となっています。

血液の分布が変わる

透析中に、下肢挙上することにより、下大静脈径が拡張し、下肢のSpO2が低下することから、透析中に下肢を挙上することにより、下肢に流れる血液を少なくして、心臓や内蔵、脳への血流を増やすことができるということが分かります。