なるべく痛くない穿刺の方法について

血液透析では、毎回18G~15Gのぶっとい針を2本刺します。患者さんによっては、『○○さんが刺すとあまり痛くないが、○○さんが穿刺するととても痛い』などといった訴えを聞くことがあります。

実際、刺し方によって痛みが異なるのでしょうか?どのように穿刺すれば痛みを軽減できるのか、簡単に紹介します。

刺し方

穿刺の角度

針を刺す角度も、痛みに大きく影響があります。針の角度を立てて、刺すと針の切れ味もよく、また皮膚から血管までの到達距離が短いため痛みがましになります。

逆に針を寝かして穿刺すると、皮膚から血管までの針を挿入する距離が長くなり痛みが大きくなります。ただし針を立てて穿刺すると、血管の後壁まで貫いてしまう恐れがあるので、注意が必要です。

穿刺の速度

穿刺の速度とは、針を進めるスピードです。穿刺で痛みを感じるのは皮膚に針が刺さるときと、血管を針が貫く2段階です。刺すスピードを速くすると、痛みを感じる時間が短くなります。

穿刺部位

穿刺する部位により痛みが異なります。基本的には、末梢に行けば行くほど神経が敏感になり穿刺痛が大きくなります。他には、前腕の内側と外側では内側のほうが痛みが強いと訴えられる患者が大半です。

同じ部位ばかり穿刺をしているとその部分の感覚が鈍くなり穿刺痛が少なくなるそうです。逆に、穿刺したことのない新しい部位に穿刺すると痛みが大きいそうです。ただし、同じ部位ばかり穿刺をしているとシャント狭窄やシャント感染のリスクを上昇させてしまいます。同じ部位を刺したいのなら、ペインレスニードルによる穿刺なら問題ありません。

新しい場所に穿刺する場合は、患者に一声かけて穿刺することが望ましいです。黙って、新しい場所に刺すと、このスタッフは下手くそだから痛いのだと思われます。『シャントを長持ちさせるために新しい場所に穿刺します。新しい場所は、少し痛みが強く感じますよ』と患者に断って穿刺しましょう。

プラセボ

患者とスタッフの信頼関係も穿刺時の痛みに影響します。この、スタッフに任せておけば大丈夫という安心感を与えることができていれば、痛みが和らぐかもしれません。

道具の利用

ペインレスニードル

ペインレスニードルとは、針の先端がとんがっておらず丸い形状をした針です。何回も、まったく同じ部位に穿刺を繰り返すことによりボタンホールという通り道を作ります。ボタンホールが作製できたら、ペインレスニードルにて穿刺します。かなり痛みが軽減できます。ただし、患者によってはうまくボタンホールを作製できない場合があります。

冷却

穿刺前に、穿刺部位を冷却して感覚を鈍らせる方法です。痛みを抑える効果は大きいでしょうが、冷却により血管が収縮して細くなり穿刺困難になる場合が考えられます。内シャントがよく発達している場合は利用可能な方法です。

ペインレスシール

ペインレスシールとは、キシロカインなどの麻酔薬をシールに含ませたテープです。これを、穿刺する30分~1時間ほど前に貼り付けます。そして、消毒前にテープを外します。表面麻酔薬により痛みを和らげる効果があります。患者によっては、被れて使用できない場合もあります。

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