臨床工学技士の気管吸引の現状

気管吸引の現状

 

初めに

2012年4月の厚生労働省医政局長通達により、人工呼吸器使用中の吸引が生命維持管理装置の操作に含まれるとされ臨床工学技士にも認められました。人工呼吸器使用中は、痰などの分泌物が溜まってくるので、適正に喚起を保つには定期的に吸引する必要があります。

従来は、吸引する場合は、看護師又は、医師に依頼する必要がありました。しかし、近年では、臨床工学技士が呼吸器の保守点検やメンテナンスだけでなく、人工呼吸器使用中の管理にもかかわるようになってきました。その為、円滑に人工呼吸器使用中の管理を行う為に、臨床工学技士も吸引する必要性があります。

 

臨床工学技士が吸引するにあたって

臨床工学技士が、吸引を実施するにあたっては医政局長の通知により以下のように述べられています。

臨床工学技士による喀痰等の吸引の実施に当たっては、養成機関や医療機関等において必要な教育・研修等を受けた臨床工学技士が実施することとするととも に、医師の指示の下、他職種との適切な連携を図るなど、臨床工学技士が当該行為を安全に実施できるよう留意しなければならない。今後は、臨床工学技士の養 成機関や職能団体等においても、教育内容の見直しや研修の実施等の取組を進めることが望まれる。
(「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」医政発0430第1号より引用)

したがって、多くの施設では、臨床工学技士が吸引する場合には院内での看護師が開催する吸引についての研修を受講したのちに実施しているようです。

また、施設によっては、臨床工学技士の吸引が認められたが実施していないところも多くあります。

 

臨床工学技士の吸引の現状

2014年度の日本集中治療教育研究会および神奈川呼吸療法研究会の臨床工学技士(67施設)を対象としたアンケート(詳細)では、臨床工学技士が気管吸引を実施している施設は34.3%、実施していない施設が44.8%、検討中の施設が20.9%でした。

気管吸引を行っていない施設の理由は、「上司や組織の方針、看護師がいるので不要」というのが多かったそうです。

 

吸引方法

吸引を実施するにあたっては、吸引のガイドラインを厳守する必要があります。日本呼吸療法医学会より、気管吸引ガイドライン2013が公開されているので参考にしてください。

 

まとめ

臨床工学技士が気管吸引を実施している施設はまだまだ少ないようです。急性期の病院では人工呼吸器が使用される部署としては集中治療室が多く、集中治療室では患者に対する看護師の人数も十分に確保されているので、わざわざ臨床工学技士が吸引する必要性もなさそうです。

一般病棟や移動中などや、看護師・医師の手が足りない時のみ臨床工学技士が吸引を行うという施設が多いようです。

 

(参考文献)

臨床工学技士による気管吸引に関する調査報告
 

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