シャントPTA(VAIVT)の基礎知識

看護師会話

シャントPTAの基礎

シャントPTAとは

PTAとは、percutaneous transluminal angioplastyの略称で、日本語で『経皮経管的血管形成術』といいます。最近では、シャントPTAのことをバスキキュラーアクセスインターベーションセラピー(VAIVT)と呼ばれるようになりました。

シャントPTAは、狭窄した血管にシースを挿入して、シースからバルーン(風船)付のカテーテルを挿入します。そして、狭窄した血管をバルーンを膨らませて内側から広げます。

比較的低侵略で1~2時間程度で施行できることからAVF・AVG狭窄治療の第一選択とされます。

シャントPTAの適応

日本透析医学会のガイドラインでは、PTAの適応は

 『狭窄率50%以上の病変があり、血流低下・静脈圧の上昇・BUNの上昇または再循環率の上昇・透析効率の低下などの臨床症状を認めること』

と定義されています。すなわち、シャントPTAは、AVF(内シャント)やAVG(人工血管)が狭窄して十分な透析を行うのが困難になった場合に施行するということです。

臨床において聴診にて狭窄音を確認したり、透析中に脱血不良・静脈圧の上昇を確認した場合に血管の狭窄を疑います。そして、シャントエコーまたは血管造影によって狭窄部位の確認をした場合にシャントPTA施行といった流れとなります。

シャントPTAの診療報酬

以前はシャントPTAの診療報酬は、3130点で月に何度しても請求することが可能でした。しかし、2012年の診療報酬改定より18080点に増額されましたが3ヶ月に1度しか請求することができなくなりました。

3ヶ月以内の2回目の場合は、診療報酬および材料費が支払われません。

シャント狭窄を繰り返す患者の場合、毎月シャントPTAをしている患者もいます。3ヶ月に1回しかできないのは困るということで、全腎協は診療報酬の改定を厚生労働省に求めました。

これに対する厚生労働副大臣の辻秦弘の回答は

『シャントPTAを3ヶ月に1回しかしてはいけないわけではない。2012年のシャントPTAに関する診療報酬改定は、3ヶ月という期間内の包括化であり、何度でもPTAはしてはよい。ただ、何回しても診療報酬は、18080点と一定である。2回目以降にかかった材料費(カテーテル代)を患者に請求するのは混合診療であり、患者に請求することはできない。』ということでした。

しかし実際には、シャントPTAで使用するカテーテルは高価である為、3ヶ月間に2度行うと、病院の儲けがなくなってしまいます。その為、3ヶ月に1回しかPTAをしないと決めている病院も多くなりました。1度PTAをして、また3ヶ月以内に狭窄した場合は外科的にシャントの再建術を行わなければならないのが現状です。

ただし、シャントPTAをしても短期間に狭窄を繰り返す症例(特に抹消側の狭窄)では、シャントの再建術をするべきだという意見は以前からも多く言われていました。

シャントPTAの合併症

シャントPTAで合併症の発生率は5%以下と比較的発生率は低いようです。透析室に勤務していて、シャントPTAにより重篤な合併症を見たことはほとんどありません。

起こり得る可能性のある合併症としては、血管造影剤によるアレルギー、カテーテル挿入による内出血、カテーテル挿入により血栓が飛んで肺塞栓・脳梗塞・心筋梗塞などの梗塞性疾患、バルーンの拡張による血管の破裂などです。

シャントPTAの痛み

患者からすれば一番気になるのは、シャントPTAは痛くないのか?といった心配だと思います。これは、患者により意見が全く異なります。

『全然痛くなかった』『死ぬほど痛かった。もう二度としたくない』

などさまざまです。

基本的には、シャントPTA時には表面麻酔をするため、シースを挿入する痛みは大したことがないそうですが、バルーンを拡張する痛みがかなり痛いようです。表面麻酔では血管の痛みは防げない為です。

臨床工学技士のひとりごとの管理人さんによりますと、抹消の血管の拡張が特に痛いそうです。
臨床工学技士のひとりごと『シャントPTAはもう二度とごめん』

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