活性化ビタミンD(誘導体)製剤「ロカルトロール、オキサロール」とは

注射

活性化ビタミンDについて

慢性腎不全になると、体内で活性化ビタミンDを作ることができなくなってしまいます。その為、透析終了時に、静脈回路から活性化ビタミンD製剤(商品名:ロカルトロール)や活性化ビタミンD誘導体(商品名:オキサロール)を注射する必要があります。

さて、活性化ビタミンDが不足するとどのような障害があらわれるのでしょうか?注射を入れるときにも患者さんに、『これって何する薬?』とよく質問されたりもします。

今回は、「活性化ビタミンDが体内でどのように作られるのか」「活性化ビタミンDの働き」について紹介します。質問されても簡潔に答えられるようにしましょう。

活性化ビタミンDの働き

活性化ビタミンDには以下の働きがあります。

活性化ビタミンDの働き

①腸管からカルシウムを吸収する
②血中のカルシウムを尿中に排出するのを促進する。
③骨から血液中にカルシウムを放出させる。

活性化ビタミンDの働きは、いろいろありますが、一番大切なのはカルシウムを腸管から吸収するのを助ける働きです。

食事により摂取した、カルシウムは活性化ビタミンDがなくては、体内に取り入れることができません。その為、活性化ビタミンDが不足すると、血液中のカルシウム濃度が低下して、その代償として、骨を溶かして血液中のカルシウム濃度を上げようとします。

それにより、骨量が低下を起こして、骨がもろくなったり、二次性副甲状腺機能亢進症を促進してしまいます。

活性化ビタミンDの作られ方

ビタミンDは、ビタミンD2とビタミンD3が合成されてつくられます。食事により摂取されたビタミンD2および、ビタミンD3は、肝臓から分泌される25位水酸化酵素の代謝によりビタミンDとなります。さらにビタミンDは、腎臓の1位水酸化酵素により活性化されて活性化ビタミンDとなります。

慢性腎臓病による活性化ビタミンDの低下

ビタミンDを活性化させる1位水酸化酵素は、慢性腎臓病の初期段階からじわじわと低下します。そして、CKDのステージ3の頃には顕著に低下しており、活性型ビタミンD製剤の使用が必要となります。

ロカルトロールとオキサロールの違い

ロカルトロール(カルシトリオール)は、活性型ビタミンDそのものです。オキサロール(マキサカルシトール)は、活性型ビタミンDの誘導体であり、ビタミンDを活性化ビタミンDに返還させる薬です。

効果は、オキサロールのほうが弱く、オキサロールで効果がない患者にロカルトロールを使用します。

活性化ビタミンD製剤の注意点

活性化ビタミンD製剤の副作用としては、高カルシウム血症に注意が必要です。この副作用の発生率は、10%程度と発生頻度が高めです。高カルシウム血症になった場合は、薬の服用を直ちに中止する必要があります。

まとめ

慢性腎不全によって、たくさんの弊害が生じます。それらは、血液透析だけでは対処することができず透析患者は、たくさんの薬を使用する必要があります。それぞれの透析患者が使用している薬についてはしっかりと把握して、薬の使用量は不足していないか?過剰ではないか?を血液データを確認しながら、適切に使用していく必要があります。