今回は透析での、ちょっとした疑問について紹介します。
『血液透析で使用するダイアライザの向きは、プライミングが終了した時点では、青色側(血液の出口側)を上向きにして、透析が始まったら赤色側(血液の入口側)を上になるようにひっくり返す施設が多いです。』
なぜ、このようにしているか、あなたは説明できますか?
今回は透析での、ちょっとした疑問について紹介します。
『血液透析で使用するダイアライザの向きは、プライミングが終了した時点では、青色側(血液の出口側)を上向きにして、透析が始まったら赤色側(血液の入口側)を上になるようにひっくり返す施設が多いです。』
なぜ、このようにしているか、あなたは説明できますか?
いろいろ理由がありますが、一番の理由は、昔の透析装置では、透析液の脱気(気泡の除去)が不十分で、透析液に気泡が混入していたそうです。気泡や空気は、軽い為ダイアライザの上側に溜まります。ダイアライザの青側を上にしていたら、ダイアライザの透析液側の上部分(透析液入口)にどんどん気泡が溜まっていったそうです。
文字だけでは分かりずらいので、この図を見ながら想像してみてください。
そこで、ダイアライザの赤色側を上にすることで、発生した気泡が透析液出口から自然に除去されるようにしたそうです。現在の、透析装置は性能が高い為、透析液に気泡が混ざることはほぼありません。よって、昔の方法がそのまま習慣的に行われて、このような手技になっているようです。
基本的に、ダイアライザの向きは、どちらにしていても透析量は変わらないようです。血液は、下から流したほうが中空糸全体を均一に血液が流れるといった意見もたまに聞きますが、血液量を200ml/minと高流量で流した場合は、ダイアライザの向きをどちらにしていても血液の流れ方に差がないようです。
したがって、ダイアライザの向きはどちらでもよいので施設により定められたやり方ですればよいと思います。