血液透析業務では、穿刺・返血など血液と直接触れるリスクが高く、自分が感染したり、または、自分が他の人を感染させてしまう恐れがあります。
感染については、臨床工学技士は学校でそれほど勉強しないので知識が少ないと思います。しっかり、感染に対する基礎知識を身につけ安全に業務を行いたいところです。今回は、透析室での感染対策の基礎である『手洗い・防護具・透析器の清拭』について紹介します。
血液透析業務では、穿刺・返血など血液と直接触れるリスクが高く、自分が感染したり、または、自分が他の人を感染させてしまう恐れがあります。
感染については、臨床工学技士は学校でそれほど勉強しないので知識が少ないと思います。しっかり、感染に対する基礎知識を身につけ安全に業務を行いたいところです。今回は、透析室での感染対策の基礎である『手洗い・防護具・透析器の清拭』について紹介します。
手洗いは、自分自身が感染しない為、または、自分が他の患者を感染させないために必要な感染予防です。目に見える汚れが手に付着している場合は、液体せっけんと流水による手洗いを、目に見える汚れが付着していない場合は速乾性アルコール手指消毒薬で消毒を行います。
穿刺前の手袋を装着する前、穿刺後の手袋を脱いだ後など、手袋を脱いだ後はアルコールにより消毒を行います。
その他にも、患者の血圧を測定した後など患者に触れた後は、自分を介して他の患者に病原菌を運ぶ恐れがあるので面倒ですが、その都度、アルコール消毒を行う必要があります。
消毒用のアルコールは、手のひらに500円効果程の分量を使用します。手指全体になじませて乾燥させます。アルコール消毒の効果が一番強くなるのは、アルコールが揮発して乾燥するときです。
流水による手洗いは、液体石鹸を使用して1分程度かけて行います。固形石鹸では、石鹸自体が汚染されるので液体石鹸を使用します。手洗い後は、ペーパータオルで水分を拭き取ります。
感染予防のために、手洗いや・手指消毒をすると手荒れしやすくなる為、日頃からハンドクリームを使用して手荒れ予防をすることが大切です。
防護具とは、血液や病原体の付着を防ぐために装着する衣服や器具のことをいいます。エプロン・マスク・ゴーグル・手袋などがあります。
防護具の着用は、血液に触れる恐れのある場合に装着します。
穿刺時、返血時、おむつ交換時などです。
防護具を複数着用する場合は、装着順番と外す順番があります。
装着順番は
エプロン→マスク→ゴーグル→手袋
外す順番は
手袋→ゴーグル→エプロン→マスク
エプロンを脱ぐときは、表面を内側に丸めて畳んで破棄します。
装着時に手袋を一番最後に装着するのは、手で直接患者さんを触ったりするので、一番清潔にしなければならないからです。
また、外す場合は手袋は一番最初となっています。手袋が一番汚染される為です。
透析機器の清拭は、透析が終了して患者が帰った後に行います。抜針時の血液の付着や、汚染された手袋で透析機器を触っていたりするので、かなり汚染されています。
清拭には、0.05~0.1%の次亜塩素酸ナトリウムに浸したペーパータオルで、装置全体を拭きます。血液ポンプのダイアルや、タッチパネル、透析液供給ラインなどは、血液が付着しやすいので念入りに清拭する必要があります。
目に見える血液付着がある場合は先に拭き取り、その後新しいペーパータオルで装置全体を清拭します。
次亜塩素酸ナトリウムは、一般に市販されている洗剤を希釈したものを使用します。最近では、次亜塩素酸ナトリウム以外にも、Kyorin社のルビスタという洗浄剤が透析機器の清拭に広く使われています。ルビスタも次亜塩素系の薬剤ですが、市販の次亜塩素と比較して、においがないのと、消毒作用が長期間継続するのが特徴です。
今回は、感染対策の基本である『手洗い・防護具・清拭』について簡潔に紹介しました。透析室は、密閉された空間であり、血液が飛散しやすい環境です。院内感染が起きたり、自分が感染する危険があります。感染についての勉強は、あまり面白くないかもしれないかもしれませんが、しっかり感染についての知識をもって、自分や患者共に感染を起こさないように注意することが必要です。